「新大陸の悲劇の勇者の伝説」レジェンド・オブ・フォール 果てしなき想い SpicaMさんの映画レビュー(感想・評価)
新大陸の悲劇の勇者の伝説
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わりと始まりの方で「トリスタンとイゾルデの?」と彼女が言う。
愛し合ってはならない恋人達の悲劇。
この物語のトリスタンは、子供の頃には野生の熊に立ち向かうほど向こう気が強いけれど周囲のものには優しい、誰からも愛される若者だ。豊かな自然の中で原住民族も交えて牧歌的な生活を送っていたが、戦場で弟を救えず、弟の悲惨な最期を見取った時、彼の心の中の、多分子供の頃から潜んでいた大熊が暴れ出し始める。それを鎮めるため、家を出て放浪するが、結果的に恋人や兄を傷つけることになってしまう。その後も自分は周りの人を不幸にしてしまうのではないかと思い、最愛の子供達の幸せを願って一人、山に入っていく。
こんな感じのストーリーが、ロッキー山脈北部の大自然を背景に、原住民族インディアンの文化、戦争の酷さを絡め、郷愁と抒情を込めて描かれている。
ブラッド・ピットが馬に乗って駆けてくるシーンは一幅の絵画で、誰だって彼を好きにならずにはいられない、という説得力があり、家長役のアンソニー・ホプキンスと愛されない長男役のエイダン・クインの演技が、物語の厚みを増していた。(ラストでこの二人が抱き合う場面はエモかった。)
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