「神は細部に宿る」ルートヴィヒ 完全復元版 こまめぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
神は細部に宿る
誰が言った言葉だったか、紙は細部に宿る、という言葉。
黒沢監督も好んでいたらしいが。
この映画も隅々にまで妥協のないこだわりがあって、
どの場面を切り取っても一枚の絵画のよう。
4時間の長尺はさすがにもう少しどうにかならなかったのか、とも
思わなくもないのだが、
こだわりにこだわりぬいた結果
これでもかなり削ったものなのだろう。
リアルな貴族、王族の暮らしぶりを拝見したという満足は得られる。
エンタメとして面白いかと聞かれると微妙。
ルートヴィヒが作ったノイエシュタイン城など
芸術は時代を超えて残っていくのだが
哀しいかな、そういう趣向とは裏腹に
彼の在位時代は残ることもなく。
政治というものに向かない人物が即位してしまった悲劇だ。
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