「少年少女の恋愛と中年夫婦の痴話げんか」ラ・ブーム bluetom2000さんの映画レビュー(感想・評価)
少年少女の恋愛と中年夫婦の痴話げんか
ソフィー・マルソーの鮮烈なデビューで話題になったこともあり、思春期の若者の恋愛ものとずっと敬遠していたが、実は両親の浮気や離婚騒ぎといったシーンも多く思っていた印象と違っていた。
若者たちの恋愛は、ピュアな「小さな恋のメロディ」を想定したが、1980年代のフランスではもっと現代的。片思いや憧れですませず、どう成就させていくかというプロセスに重点が置かれている。時代の違いか。アドバイスのおばあちゃんが粋だった。
一方、両親は互いに仕事を持ち自立しているから、すれ違いから離婚騒ぎ。この作品、実はこっちの方が主題ではないかと思えるほど。何となくすっきりしないのは、このテーマがソフィー・マルソーに完全に食われたからか。
それにしたって、「禁じられた遊び」の幼気な少女が、離婚に悩むお母さんとは、驚きと感動だねえ。それでも、時代を経ても活躍しているのは立派。
スタッフに日本びいきがいたのか、「愛のコリーダ」と「フジタ」がセリフ内で登場。
80年代のフランスは旅した記憶と重なる部分もあり懐かしい。
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