劇場公開日 1999年7月3日

「写真による紙芝居、または、ナレーション付きのスライドショー」ラ・ジュテ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5写真による紙芝居、または、ナレーション付きのスライドショー

2021年5月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 29分というショートストーリーのため、飽きずに没入できた。しかもSFである。第三次世界大戦を生き残った勝者は、捕虜を使い時間の穴で旅をさせ、未来に救済を求めるというものだ。しかし主人公となる被験者は少年時代の思い出に囚われ、なかなか抜け出せないでいる。

 大戦前夜のオルリ空港で見かけた少女。過去への旅でも大人になった彼女との逢瀬を重ね、まるで夢の中に囚われるようになってしまう。実験は成功だとして、次は未来に送り、人類を救おうという試みなのだが・・・

 タイムトラベルものとしても楽しめるし、過去の世界が夢と同じだと考えれば実現可能のような気もする。しかし、未来へ行くことはタイムパラドクスを引き起こすので難解。結局は、不条理なエンディングによってあれこれと考えさせられるのだ。

 白黒で、しかも静止画というユニークな作品ながら、ヒロインがまるで動き出しそうな部分もある。夢を具象化した理想の女性。これが男のすべてとなり、未来人からの誘いも断ることになった。ひょっとして未来人が見せてくれた妄想だったのか、あるいは・・・と、ストーリーの秀逸さにも驚かされる。廃墟となった写真からしてもペシミズムの現れだったのか、明るさもほとんど感じられない。

kossy
kossyさんのコメント
2021年5月20日

CBさん、コメントありがとうございます。
ザ・シネマHDにて見ました。
きっかけは29分という短さ!
ちょっと見てみよって感じですw

kossy
CBさんのコメント
2021年5月20日

自分で言うのもなんですが、kossyさんも、ずいぶん渋いヤツ、観ましたね〜

CB