「破滅型音楽家の最後の交流」ラウンド・ミッドナイト Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
破滅型音楽家の最後の交流
総合:75点
ストーリー: 70
キャスト: 75
演出: 75
ビジュアル: 70
音楽: 80
昔聞いたジャズ・トランペットの巨匠マイルス・ディビスのインタビューは、まさにこの主人公のような感じの喋り方だった。才能がありながらも酒で身を崩す典型的な破滅型の大物ジャズ・ミュージシャン。映画はひたすらその彼の素晴らしい演奏と、酒びたりで自分の名前すら書けないほどのだらしない日常を追う。そして彼を崇拝するフランス人の男との交流。それがドキュメンタリー調で記録されていく。
人によってはこんな男の物語は退屈かもしれない。でも彼の音楽とそれを演奏する彼の危うい孤独な日常との描写が、暗くて重い雰囲気の中で深みのある一人のジャズ・ミュージシャンの人生を浮き彫りにしていた。ジャズが嫌いではない私としては、そのような情景の描き方が心に染み入る作品だった。
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