「これぞ群像劇、これぞ映画!」ライトスタッフ keitaさんの映画レビュー(感想・評価)
これぞ群像劇、これぞ映画!
競争の時代に生きた男達とそれを取り巻く人々を描いた群像劇。
多くの命知らずな男達が音速を目指した時代、人類が次に目指したのは宇宙だった。
アメリカで初の有人宇宙飛行を目指す7人の宇宙飛行士。
彼らを心配する妻たち。 宇宙飛行士に国の威信を賭けるアメリカの国民たち。
かつて、世界で初めて音速を越えたパイロット。
競争の時代と対象的なアボリジニ。
同じ時代に生きたそれぞれの感情を的確な描写で上手く表現している。
これぞ群像劇、これぞ映画だ!
カメラワークの芸術性、音楽の質とタイミング、総合演出が素晴らしい。
アメリカという国はいつも英雄を求めている、そして英雄になれるのはいつも1人だ。時代遅れの者、一番で無い者は、同じ偉業を成し遂げても英雄にはなれない。
時代の寵児ばかりを追いかけ、本当に優れているもの、評価されるべきものに興味を示さない大衆やマスコミ。これは、現代の映画業界についても言えると思う。
ニューシネマを打ち破ったと言われる「ロッキー」や「スターウォーズ」より現実に目をやり、ニューシネマ以前のアメリカを描くことによって「個人の可能性」を全面に打ち出した傑作。
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