「ベルモンドが辿ってきた旅路」ライオンと呼ばれた男 シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)
ベルモンドが辿ってきた旅路
孤児から一代で大会社を作り上げ、功成り名を遂げた後に全てを捨て放浪の旅に出た男の人生を描くドラマで、とても面白かったです。冒頭からアップで映し出されるベルモンドの顔に深く刻まれるしわや白髪混じりの髭は、彼自身の人生を感じさせます。前半は、主人公の過去を時系列を前後させて描く構成だけど、すんなりと主人公のキャラやエピソードが入ってきます。後半は、主人公が代理の青年を介して会社を立て直すお話しになるけど、ここで父娘の情感たっぷりのエピソードを絡ませてくるのが上手いです。家族にも仕事にも恵まれているのに、あえて孤独で自由な旅路を選ぶ男を、ベルモンドが体現し、名匠クロード・ルルーシュが熟練の語り口で描く、フランス映画らしい作品でした。
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