夜の大捜査線のレビュー・感想・評価
全27件中、1~20件目を表示
全体に流れる異質な雰囲気に圧倒される
日本人には到底わからない差別
時代や文化による変えられないモノ
アメリカの、人間の、永遠のテーマ
優秀な黒人警察官の捜査
彼を取り巻く悪い空気感
次第に認め始める警察署長
その変わりゆく表情に注目
よくある風景、
綿花、貧富、差別、
秀作。
※
人種差別の典型
ハリウッドに「未開の地」として描かれる南部
舞台はアメリカ南部、ミシシッピ州の田舎町です。
誤認逮捕を繰り返す、無能な警察署長ビル・ギレスピー(ロッド・スタイガー)。
虐げられた貧しい黒人たち。
車に南軍旗をつけた暴力的な若者たち。
奴隷制を彷彿とさせる綿花のプランテーション。
楽しみは酒とセックス。
裏で堕胎業を営む雑貨屋の黒人おばさん。
性格の歪んだよれよれTシャツのダイナーの男。
貧しさからチンケな犯罪を繰り返す男たち。
ホントの姿なのかも知れませんが、本作が描く南部の住民たちの姿は貧しく、知性もなく、差別意識が強く、短絡的かつ暴力的で、悲惨です。
一方、北東にニューヨーク、南西にワシントンD.C.という都市に挟まれた大都会フィラデルフィアからやってきた黒人刑事ヴァージル・ティッブス(シドニー・ポワティエ)。
いつもきちっとしたスーツ姿。
高給取り。
科学的捜査で事件の真相に迫る知性の持ち主。
侮辱を許さない誇り高い男。
構図としては南部のホワイト・トラッシュvs北部のエリート黒人です。1967年のハリウッドが描くアメリカの南部は暗黒そのもの、まるでいいとこなし。当時の南部人たちは、この映画をどんな思いで観たのでしょうか。そしてその後、南部人たちは変わったのでしょうか。
ミスター・ティッブスと相互理解を深め態度を変えたギレスピー署長の姿にかすかな希望を感じさせ映画は終わりますが、2025年の現在のアメリカの情勢を見ていると、南北の分断はより深まったのではないかと思えてきます。
主題歌はクインシー・ジョーンズ作曲、レイ・チャールズ歌、名曲です。
黄色いサングラス
邦題が陳腐な捕物帳的アクション映画を連想させたためか全く眼中になかったが、TV放映予告を目にしレビューを調べてみたところなかなかの高評価。もしや、と思って視聴してみたところ・・・なんとも味のある作品ではないか。設定、展開、テンポ、音楽等アカデミー賞総なめも納得。それもそのはず、私の大好きな「月の輝く夜に」をてがけたNジェイソン監督の作品だったんですね。人間模様の描写が秀逸です。
そして、ここでも絶大な存在感を発揮していたSポワチエ。個人的にはSクレイマー監督の「手錠のままの脱獄」で注目しましたがその他多数の名作で唯一無二の活躍。この人の黒人としての映画界での貢献度は計り知れないものがあるでしょうね。
一方、全編を通して違和感があったのがRスタイガー演じる警察署長の黄色いサングラス。射撃用の反射対策効果とかあるのかも知れないけれど署長の普段使いにはちょっと。それともこの国のこの時代では皆さんお洒落として素直に受け入れられたのでしょうか。
と少し残念に思いながら迎えたラストシーン。Sポワチエとの別れ際に黄色いサングラス越しに覗かせたRスタイガーの何とも優しい眼差し。この作品の全てを総括しているようで心に焼き付いています。これが狙いだったとしたら、やっぱりすごいぞ、Nジェイソン。
キャスト陣の演技が絶妙 ✨
1960年代のアメリカ。
ミシシッピー州の小さな町で他殺死体が発見され、駅の待合室で始発を待っていたフィラデルフィア市警の黒人青年刑事ヴァージル( シドニー・ポワチエ )が逮捕されるが … 。
ヴァージルと関わっていく中で、自身の考え方を変えていく警察署長ビルを演じたロッド・スタイガーの演技が絶妙 ✨
アカデミー賞主演男優賞受賞も納得の名演。
どこかユーモラスで味のあるキャスト陣の演技に、ラスト迄引き込まれた。
NHK-BSを録画にて鑑賞 (字幕)
この作品も「ジーザス・クライスト・スーパースター」と並ぶノーマン・ジュイソン監督の名作の一つでは…
ノーマン・ジュイソン監督の
「ジーザス・クライスト・スーパースター」
は私の生涯ベストテンの中の一作なので、
彼は特別な存在だが、この作品がTVで放映
されたことを機に何度目かの再鑑賞。
キネマ旬報では、
「アルジェの戦い」が第1位、
アントニオーニの「欲望」が第2位、
ジンネマンの「わが命つきるとも」が第4位
の年の第8位に選出された
アカデミー作品賞受賞作。
主役二人の対立軸で作品テーマを
見事に映し出した作品は多々あるが、
この作品もその内の一つと思う。
舞台となる暑くけだるさの残る
ミシシッピ州の田舎町にやって来た
シドニー・ポワチエ演じる
大都市のエリート警官の戸惑いには、
“白人対黒人”の問題は当然のことながら、
・平等対差別
・富裕対貧困
・正見対偏見
などに加え、
最新の捜査と旧式の捜査方法という点では
“中央対地方”の問題なども醸し出された。
そんな中、特にロッドスタイガーは、
廃退的な地方都市で警察署長を勤め、
白人至上主義の世界に
ドップリと浸かりながらも、
黒人刑事との出逢いから、
時には元のしがらみに戻りつつも、
終いには、人間は肌の色では無く、
その人物の能力で判断すべきと
思考出来る人間に昇華する名演技は、
アカデミー男優賞受賞が証明するまでもなく
見事な演技ではないだろうか。
この点については、ネットの情報により、
この警察署長役は原作では巡回警察官並みの
準主役級だったとのことを初めて知り、
同じくアカデミー脚色賞を受賞した脚本家
の筆力が、この作品を名作たらしむべく
多大な貢献をしていたように思われた。
ただ一点、短時間しか滞在していない
エリート警官が、
巡回警察官と露出女性との関係や、
巡回再現の時に彼が別のコースを運転して
いるとどのようにして分かったのかが
説明されていないように思ったのだが、
この点について、原作ではどう
著されているのかが気になった。
しかし、演出・脚本の高度な技術と
二人の俳優の名演技によって
名作の域に達した作品と言えるのでは
ないだろうか。
※2025/3/17 追記
映画で分からなかったことがあったので、
原作本を読んでみた。
巡回警察官が道を変えたのを
どうして分かったのかは、
通る道によって車の汚れが異なるという
一応理屈として書かれてはいるが、
映画の中での
犯人と妊娠女性の父親との銃撃戦は無く、
犯人特定のこともエリート警官の推理として
書かれてはいることも含め、
元々サスペンスとしての要素の弱い小説
のように感じた。
驚いたのは、映画全編にまたがる
原作からの大改変。
映画の舞台も
エリート警官の勤務地の設定も、
殺されるのが工場誘致の事業家ではなく
音楽の指揮者であることや、
市の有力者が人種差別主義者ではなく
逆に黒人への理解者であること等々、
設定の違いには驚くばかり。
そして、映画以上に
市全体に漂う黒人差別社会の描写の中、
エリート警官への理解を急速に進めるのが
巡回警察官で、映画よりも
小説での彼の位置付けは大きかった。
しかし、そんな中でも、映画のラストで
警察署長がエリート警官の鞄を持って見送る
理解を深めたエンディングシーンだけは
原作をしっかりと踏襲したものだった。
夜の大捜査線 を何十年ぶりに見直した
本作につき、黒人への偏見が根強い60年代当時の南部を舞台に、北部の都会から来た黒人の殺人課刑事と、田舎の白人警察署長(殺人事件を扱ったことがない)の対立の物語…、と解説しているのが多く見られるように思います。何十年も前に本作を見た時は、私もそのように見たし、そういう記憶として残っています。
しかし、今回改めて見てみると、白人警官役のロッド・スタイガーは、最初から公平な態度で黒人警官に接しているのが見て取れるし、また、署内の無能で、偏見にも無邪気な複数の署員を束ねるなどして、それなりに有能です。一癖二癖ありそうな市長の無茶振りもこなすほどに世渡りを知ってもいます。街の顔役を黒人警官が殴り返した場面に立ち会いながら、顔役側に味方することなく、公平な態度を通しています。加えて、黒人警官に「お前も感情的になるのだな…」(うる覚え…)とつぶやくシーンは、白人警官が冷静な観察者であることを示していて、彼が偏見のある無能者でないことは明らかです。大体、物語の最初から黒人警官の専門能力を評価して頼りにしているし、危険や周囲の偏見から黒人警官を守ってやっています。一見、黒人警官に強く対立しているように見えるのも、周囲の強い偏見がいかんともし難いことから、黒人警官の身上を気遣ったためとも考えられます。むしろ、この白人警官にとって、この街で生きてゆくことは楽なことではなさそうにも見えます。
要するに、白人警官は、周囲の偏見はともかく、黒人警官と対立しているようには見えませんでした。本作を対立から和解の物語などと説いている映画解説は間違いでしかありません。
あと、シドニー▪️ポワチエと並んで立つシーンは、背の高いポワチエのスーツ姿のカッコ良さが際立つ一方、背が低く着こなしがイマイチで足回りも無様なスタイガーのカッコ悪さ(の演出)が、なんとも味わい深いです。
クインシー・ジョーンズ作曲、レイ・チャールズ歌も懐かしいです。細かいことには目くじら立てず、大満足の傑作です。
主人公が黒人である意味とは
【黒人蔑視の根強いミシシッピの田舎町の暑い夜に起こった殺人。今作は、偶々居合わせた黒人殺人課刑事と、田舎町の冴えない白人警察署長との相克する人間関係の変遷を殺人事件捜査と共に描いた逸品である。】
■作品全体に漂う、アメリカ南部のミシシッピの田舎町の気怠い雰囲気。その町の夜に発見された、町に工場を建設しようとしていた男の死体。
偶々居合わせたが故に、最初は殺人犯と間違われる黒人殺人課刑事のヴァージル・ティッブス(シドニー・ポワチエ)。
黒人蔑視思想の強い、小さな町の小さな警察署長ビル・ギレスピー(ロッド・スタイガー)が、黒人のヴァージル・ティッブスに捜査を委ねる時の、何とも言えない複雑な顔。
彼の自尊心が許さないが、黒人殺人課刑事に捜査を委ねざるを得ない葛藤。
そして、事件の真相がヴァージル・ティッブスの鋭い推理により明らかになる過程の見事なストーリー展開に、引き込まれる。
<今作は、偶々居合わせた黒人殺人課刑事と、田舎町の冴えない警察署長との相克する人間関係の変遷を殺人事件捜査と共に描いた逸品である。
ヴァージル・ティッブスが漸く町を離れるために、列車に乗る時に見送りに来た警察署長ロッド・スタイガー演じるビル・ギレスピーが、初めて彼に笑顔を向けて”元気でな。”と告げ背を向け去る姿と、その後姿を笑顔で見るシドニー・ポワチエ演じるヴァージル・ティッブスの表情が、激渋な余韻を残す作品でもある。>
ノーマンジェイソン監督
夜の熱気の中で‼️
黒人への人種偏見が強い南部の田舎町を舞台に、殺人事件の捜査にあたる黒人刑事と白人の警察署長の葛藤と友情を、人種差別を絡めて描いています‼️うんざりするほど暑苦しい南部の夏の夜の雰囲気描写の中、いがみあったり、おまけに差別のための数々の妨害にあったりする‼️主人公に扮するシドニー・ポワチエが渋くてカッコいい‼️私的には歴代黒人俳優ナンバーワン‼️クインシー・ジョーンズが作曲したレイ・チャールズの主題歌も作品の暑苦しいムードにピタリとハマってて素敵なんですよねぇ‼️そしてラスト‼️駅で刑事を見送る警察署長‼️警察署長の「元気でな」に笑顔を見せる刑事‼️なんてこともないシーンなんですけど、ミョーに心に残ってます‼️
テーマ付 静的刑事ドラマ
2012年12月第三回午前十時の映画祭にて
『夜の熱気の中で』は未読。
事件の捜査を進めていくうちに、二人の関係性が少しづつ変わっていくのが見どころ。
レッテルは貼られた途端に思考停止に陥る罠になる。個々に自分で考え自分で判断し自分で選択し続けることが重要だなと思った。
レイチャールズの歌も良い
50年以上前の映画ではあるが見応えはあった。
黒人への偏見はすごく人間と見なしていないひどさ。優秀な警官であっても素直に認めない。
優秀さが随所に出だすとそれを信じない.黒人だからだ。
今は「こんな時代もあったねと」中島みゆきの「時代」がぴったりくると思いきや未だにアメリカでは白人の警官が過度に反応して黒人を撃ち殺したり殴り殺したりする事件が出てくる。
50年前に既にこの映画は黒人も優秀な奴がいると言ってる映画なのに、人間は皆平等と言ってるのにだ。
シドニー・ポアチエの存在感無しには見れないがロッド・スタイガーも憎たらしいけれど最後は良かった。
それにしても警察署長は誤認逮捕も甚だしい。よく署長が続いたものだ。
全27件中、1~20件目を表示














