「マーロン・ブランドの若い頃!」欲望という名の電車 あま・おとさんの映画レビュー(感想・評価)
マーロン・ブランドの若い頃!
マーロン・ブランドの若いころがこんな感じだったとは!舞台俳優をやってきた彼が初めて演じた映画? 上手いなぁ。ステラがスタンリーをなかなか振り切れないのだ。彼はそれほど魅力的でなくてはならないわけだが、バッチリ成功している。
彼を観るだけでもこの映画はかなり楽しい。
話の展開は刺激的。が、複雑な思いが残る。終始それぞれの感情や思惑が入り乱れ面白いが、皆、平行線のままだ。絡み合うことがない。自分のことしか考えていないから。たとえば、ミッチーが思い直して結婚を申し込むとか、少なくとも謝るとか、ブランチが別の新しい人生を歩む決意をし旅立つとか、なんらかの心境の変化があれば違ってくるのだが。(ステラさえも、またしばらくするとスタンリーを受け入れていそうだ。)
誰ももう自分のどす黒いレールから逸脱できないのか。行き着くところに行くだけ。終点まで。暗いなぁ。
当時の社会の価値観に思い切って問題を投げかけているという面があったのかもしれない。しかし今となってはそのスタンスは古く感じ、ドロドロしたものを見せられただけという印象が残る。
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