劇場公開日 1967年6月3日

「フリオ・コルタサルを調べて、理解」欲望(1966) jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5フリオ・コルタサルを調べて、理解

2019年4月18日
Androidアプリから投稿

1967年 イギリス/イタリア作品
アントニオーニ監督(脚本)が アルゼンチンのフリオ・コルタサルの短編小説「悪魔の涎」を元に 映画化
(この映画で 一躍、有名になった)

1960年代の 「スウィンギング ロンドン」と呼ばれる、ロンドンが世界のポップカルチャーの中心だった時代の雰囲気がわかる映画
(カメラマンは デビッド・ベイリーがモデル)

カメラマンが 映像に プラスαを求めてしまう、という仕事柄、被写体から物語を紡ぎ出してしまった… という話
(物語への「欲望」に とらわれてしまった)
現実と非現実の 交差する映像になっている

カメラワークは 見事

ちゃらけているようで、結構、
精力的に仕事をしているカメラマンを
デビッド・ヘミングスが好演している
(異世界に入っちゃいそう、でもある)
女優陣も サラ・マイルズ、ヴァネッサ・レッドグレイブ、ジェーン・バーキン(わからない!)と、豪華である
モデル達も 当時、一世風靡した連中

ヤードバーズも登場し、ジェフ・ベックが 監督の希望で ギターを壊している
(ベックとペイジの ツインリードは 貴重な映像らしい)

音楽は バービー・ハンコックが担当していて、展開に頭を捻りながらも 飽きさせはしない
(色々、豪華である)

「女(ファッション写真)は飽きた、旅に出たい」
というのは、カメラマンの本音で、
だから こんなことに?
編集者らしき人物が それを受けて
「自由だと、彼のようにか?」
と 見せた写真の人物は、コルタサルだろうか

邦題が 意味深過ぎて、かえって誤解を招く
(この監督の場合は 特に)原題どうりか それに近いものの方が よい

jarinkochie