「ターミネーター風ベトナムのトラウマ劇」ユニバーサル・ソルジャー odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
ターミネーター風ベトナムのトラウマ劇
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午後ロードなのでどうせと思ったらなんと大好きな破壊王エメリッヒ監督作品、たとえ低予算のB級でも彼なら凄い筈と色眼鏡を掛けて良いところを探し探し鑑賞・・。
見せ場は暗殺者の執拗な追跡劇、「ターミネーター」の改造人間バージョンのようなティストで新鮮味には欠けていますが人間に寄せた分感情的なもつれがうまく題材に織り込めています。
映画の作られた1991年頃と言えば巡航ミサイルで戦況が決するハイテク兵器での湾岸戦争が勃発していました。米国なりの大義はあっても世論の流れは多くの若者を無駄死にさせたベトナムの二の舞は許すまじということなので脚本家はハイテクゾンビ兵士のニーヅを感じ取ったのでしょう。尚且つ、ベトナムで戦死した若者を蘇らせてテロ防衛に働かせることは無駄死にでは無かったことにしたい軍部の考えそうなことにも思えます。ところが地獄の記憶は抹消できず未だにトラウマに苛まされると言った皮肉を描いているとしたら深いプロットです。
エメリッヒ監督のハリウッド第一作ですが前任のアンドリューデイビス監督からの交代でした、潰れかけていたプロダクションの事情から低予算でもきっちり作るとの手腕が買われたようです。
たぶん、お偉いさんがB級映画のお約束、興業の為に裸を入れろと言ったのでしょう、ところが一肌脱いだのはバンダムでした、カミングアウトしているエメリッヒらしいというか、一休さんのような頓智には脱帽です。自分なりに妄想を加えて楽しく鑑賞できました。
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