「なかなか熱い」U・ボート moviebuffさんの映画レビュー(感想・評価)
なかなか熱い
普段あまり名作映画のレビューは書いていないのだけど、印象だけ書き残そうと思う。
ちなみにディレクターズカットを鑑賞
最初の30分(汚い)→次の30分(なかなか面白くならないし、時々まだ汚い)→次の30分(機雷と水圧をしのぐスリルある展開)→次の30分(さっきの機雷と水圧ネタを使いすぎ若干あきる)→次の30分(一回パニくってしくじった部下がいい仕事をする等、人間ドラマが段々熱くなってくる)→次の30分(絶望的状況でしかもプロジェクトX的ないい仕事をする部下の活躍。またまた熱い。)→ラスト(30分)ナチス主役でまさかの完全勝利??と思わしといて、やはり日本の戦争映画と同じように挫折感の残る着地。ちょっとしみじみする。
このストーリーに中々エンジンがかからないスロースタートなテンポ感や時々変な編集は、実はこの映画って元々テレビシリーズで六話分を編集して作ったものだったのね。あとで調べて分かった。ディレクターズカットは3時間半だが、テレビドラマはさらに長いのか。
印象に残ったのは人間ドラマと狭い空間での見事な照明の使い方とセットを生かしたカメラワーク。さすがに技術的に古さを感じながらも、音や顔の表情、吹き出る水や照明などで臨場感を作り出す様々な演出がすばらしいと思った。ていうか、恐らくだが、この映画があって、今の潜水艦映画のパターンが出来上がってるんだろうなー。ペーターゼン監督の作品はイーストウッドのシークレットサービスやアウトブレイク、エアフォースワン等、彼の作品とも気づかずに90年代リアルタイムで見ていたわけだが、今作はまだ粗削りでありながらもさすがの力量だった。
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