柔らかい肌(1964)のレビュー・感想・評価
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男って…
しょっぱなの手の映像がなんかエロい。何度も男の指の結婚指輪をなぞる、女の手。なんとなく不穏なムードが、このシーンだけでじわっと…。
古今東西、世界中どこにでもある不倫の話だけど、あまりベタっとしていない。男は右往左往して困ってるし、女は泣くけれど、どこか突き放して描いている。人間の滑稽さを天から見つめているかのごとく。まあ、自業自得の結末で、バルザックのことはわかっても、女性心理はわからない、無粋な男の話であった。
フランソワーズ・ドルレアクの美しさには魂もっていかれた。ダンスシーンもキレキレだった。彼女の出演作品を追いかけたくなった。
BS松竹東急の放送を録画で鑑賞。
不倫はトラブルの種
古い映画なので、公衆電話やタバコにマッチ。
懐かしいものばかりでした。
不倫はいつの時代にもあり、浮気された家族の悲しみは変わらない。
人間だから魔がさすし溺れそうになっても、踏ん張るしかない。
結局、誰もが悲しい思いをするのでしょう。
どうしてフランス映画の女性はここまで怖いのか
1964年フランス映画。118分。今年21本目の作品。ヌーベルバーグの旗手フランソワ・トリュフォーの作品。名作「大人は判ってくれない」の監督さんは、その後、このようなお色気たっぷりの作品を描いていたと知って、いささかたまげました。
内容は;
1,飛ぶ鳥を落とす勢いの文芸批評家の男は、出張先のリスボンに向かう飛行機でフライトアテンダントに魅せられる。
2,男がリスボンで泊まったホテルに偶然女が泊まっていることを知り、食事に誘う。
3,二人は不倫の関係を結び、それから男の妻に内緒で恋を暖めていく。
フランス映画らしいなんでもないストーリー展開。そしてフランス映画らしく、なんでもない事が途中から目も離せないほどにスリリングに描かれていきます。
この作品の最大の見所は、女性のメインキャスト二人であるフライトアテンダントと男の妻の描かれ方。最初は画面を飾る華のような存在感だった二人は、物語が進行するにつれ、それはそれは生々しく、恐ろしい存在感になっていきます。
それにたじろき世間体を気にし始める男は、やはり万国共通の神話的性質だということなのでしょうか。今まで散々この男の情けない姿をフランス映画で観てきたので、本作では事も無げにあっさり観ている自分がいましたが、やはりこの男女の対比がしっかりしているのです。
そんな登場人物は、途中から子供じみてきて最後のショッキングな展開を観ると、「なにやってんだよ」とも思ってしまいましたが、
そもそも、恋愛というものに大人らしさを求めることほど馬鹿馬鹿しいものはないのかもしれません。これが、この作品のメッセージかもしれません。そして、そう考えるととてもやりきれない(そして憧れる)。
そして、ふと映画の冒頭で何の脈絡もなくでてくる女性の手のアップ映像。
あれは一体どういう意味なのか、いまだに考えてしまいます。
他のトリュフォーの作品も観てみようと思いました。
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