「悲しい中年男」柔らかい肌(1964) mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
悲しい中年男
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ヒッチコック風と聞いていましたが、ところどころ、ヒッチコックへのオマージュがあり、隠れてこそこそする浮気がサスペンスタッチになってました。
主人公の男性ピエールは下心ありありで、キャビンアテンダントのニコールを食事に誘い、深い関係になっていくのですが、ピエールがニコールに振り回されるところが可笑しいです。ニコールはといえば、自分のペースは全く崩さず淡々と生きているのに、ピエールは右往左往しながら、とにかく、二人の関係を継続させるのに忙しい。大の男がストッキングを買うところも笑えます。ピエールが妻と離婚するという瀬戸際にあるというのに、ニコールは他人事みたい。
ストーリーとしては単純かもしれませんが、その騒動が多少、コメディタッチで進むので楽しめます。
ピエールは安定した生活を不意にしたばかりでなく、奥さんに銃でとどめを刺されて終わり。
La peau douceは邦題のとおり「柔らかい肌」。
このタイトルの意味は? 触れている時は柔らかくて心地いいけど、この一時の快感が不幸をもたらすってことでしょうか。「きれいな花には毒がある」みたいな感じで。
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