劇場公開日 2020年2月22日

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「30年ぶり、懐かしくも新しい出会い」山の焚火 あむあむさんの映画レビュー(感想・評価)

5.030年ぶり、懐かしくも新しい出会い

2020年3月1日
iPhoneアプリから投稿

コロナで迷いながら、どうしても再会したくて渋谷を目ざした

ユーロスペースが移転したことすら風の便りだったので、見知らぬ空間が既にやや名画座めいていることに年月を思った

服と瞳の青色にすぐに泣きたくなった
食器の乳白、岩々の灰色、布やブリキや木々の質感、
農機の赤、草、灯り、霧や靄、肌と肉

雨風のみの静けさの中、時計の音だけはいつもある
言葉なく交わされる眼差し、表情、合図

何より自分を知っている夫婦の、決意と戸惑い
あの暮らしを選んだような、選ばざるを得ないような
そして終わりを告げようとしている、親子の時代

ハタチごろに感じた「癇癪持ち一家」への親さは、
それからやはり実感となって今に至る
今回は「怒りん坊」となっていた
恐らくどこにでもいつの世も、我々の仲間がいるのだな

「初めに言葉ありき」、母の聖母への祈りは、
言葉以前のある意味原始な命の営みの前に、少し虚しく響いて聴こえる

神話的でありながら、命の根源や真理を見る思い
歳を重ねてまた出会えて本当に幸せだった

昔のシネシャンテのプログラムも大事にしていたが、
今回のトリロジーのプログラムも質感や構成が素晴らしく、購入
ゆっくり読みながら、休校の子供たちの元へ帰ります

ぱくぱく