「野生児は判ってくれない」野性の少年 シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)
野生児は判ってくれない
人間社会から隔絶され、自然の中で育った少年を人間として教育するトリュフォーの人間味溢れるドラマです。人語を解すどころか五感の発達状態からして野生動物に近い少年が、言語だけでなく感情や正誤の概念まで理解していくのは感動的で、そこには動物では持ち得ない人間の魂の根源があるように感じます。トリュフォー演じる学者は、慈愛溢れる教師である反面、研究熱心な余り行き過ぎな点もあるのは、ちょっと残念。野生児役のジャン=ピエール・カルゴルは、異様なほどのはまりっぷりで、役者としてのトリュフォーもいい感じでした。
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