「美し過ぎる名作」モーリス bonvoyage456さんの映画レビュー(感想・評価)
美し過ぎる名作
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ヒューグラントの美しさに最初は釘付けになりましたが、話が進む程モーリスの真っ直ぐな愛情、無垢で情熱的なキャラクターの虜になりました。
最初はクレイブ(ヒューグラント)のアプローチからはじまった関係ですが、同じ大学のゲイの先輩が捕まったことから、社会的制裁を恐れて、モーリスに対して距離をおくように…。
その気持ちはわからなくもないのですが、その後連絡も無く突然結婚し、報告の電話も友人の中で8番目だったり、まだクレイブに未練のあるモーリスに好きな女性が出来たと勘違いし、おめでとうと言ったり、クレイブのあまりのデリカシーの無さに途中ドン引きしてしまいました。
ただ、最後、モーリスが別の方を愛していると告白をした後のクレイブの喪失感あふれる表情…
最後のシーンでクレイブが窓を閉めようとした時に浮かぶモーリスの姿。
本当はクレイブもモーリスを愛し続けていたのに、あの時代に愛を貫き通すことを諦めて、自分自身さえも欺いていたのかなと切なくなりました。
歳を取るごとに、自分自身の本当の気持ちを押さえて、世の中に迎合する事ってあると思います。
この映画の前半は、そんな事考えもしなかった無垢な時代を思い出させてくれたし、後半は世の中に迎合しつつも、どこか自分を欺いていく生き方(クレイブ)と、自分を貫いて傷つき迷い苦しみながら進む生き方(モーリス)を魅せてくれます。
自分自身が実際モーリスのように生きていけるか、難しいと思います。
だからこそ、モーリスの存在自体が最後まで魅力的にうつりました。
とってもとっても尊い映画でした。
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