燃えつきた納屋のレビュー・感想・評価
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アラン・ドロン様
農家の女主人ローズ(シニョレ)がいい。アラン・ドロンの飄々とした雰囲気にも警戒心がかなり強い。殺人事件の捜査はアリバイ崩しが中心となるが、家族の誰かが不利な状況となると隠し通すように説得したりして、犯人は絶対村の人間ではないと主張したい様子。
殺人事件そのものよりも、第二次大戦で戦場となった経緯のあるこの村を大切にしようとする心理描写が面白い。家族の絆も失われるかのように、それぞれの人間が本心を打ち明けない状況。
たいした盛り上がりも見せないし、犯人を当てるミステリーとは違う。ひとつの殺人事件によって家族の本音、息子夫婦の浮気などが露呈し、一家では息子が被害者の金を盗んだことだけが罪だったのだ・・・だから損害賠償も請求できない虚しさ。これから家族はどうなるんだろう。タイトルは一家の納屋の通称だが、家族のバランスも燃えつきてしまったかのように・・・
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