劇場公開日 1976年9月23日

「ブラックな笑い満載のパロディ映画」名探偵登場 Teiranさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ブラックな笑い満載のパロディ映画

2020年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

アガサ・クリスティーの創作したエルキュール・ポワロやミス・マープル
ダシール・ハメットのサム・スペードなど東西の名探偵5人のパロディ的
登場人物達が大富豪の屋敷に招かれ、そこで屋敷の主人による
殺人の予言と100万ドルを賭けた探偵達への挑戦が・・・

「この屋敷の中にいる誰かが、誰かを殺す。その犯人を当ててください」

金持ちの道楽って度を越してておかしいものだなぁ、と。

これはブラック・コメディ作品で

女「こんな所で迷子になって」←よくあるセリフ
男「他の所ならいいのか?」

とか、

ミス・マープルと、彼女に間違えられた車椅子の侍女(だったかな?)が
殺人予言の話が出た時
「殺人ですって♡」
と嬉しそうにキャッキャと浮かれていたり
日本人と中国人の区別がつかなくて一緒くたとか

屋敷の呼び鈴(ブザー)を押すと、女の悲鳴が響き渡る仕掛け
いちいち屋敷の中の仕掛けがホラー映画じみていたり
サム・スペード(風探偵)はハード・ボイルド作品の主人公なので
連れの女との会話がいちいち格好つけた決め台詞口調で笑えたり
(演じるピーター・フォークはいまいち垢ぬけてなくて
コロンボの方が似合っていると思った。
「マルタの鷹」のハンフリー・ボガートみたいなタイプが
合っていたような。・・・でもミス・マープル風探偵がそれっぽい
見た目品の良いおばあさんでなく、太っちょの庶民的なおばさん
だったのであえてこの人選だったか。大富豪役がトルーマン・カポーティ
だったと観た後知って、びっくり。そういえば見たような顔だった)

ブラックな笑いが多めなので、人を選ぶかもしれません

途中からコメディ色が押しつけがましくなってちょっと
飽きましたが、予告殺人の犯人と被害者が誰になるか
わからないけれど、殺人は起きそうだ、というあたりから
どういう展開になるのか興味深く観ました

ラストは
力技というか・・・それはないだろう的な^^;

ツッコミ処満載な終わり方だったし「観客の意表を突く」事に
拘り過ぎるあまり説得力皆無だったので
納得いきませんでしたが・・・コメディだし、こんなラストも
ありなのかなぁ・・・と思います

トリックは、ミステリファンならお馴染みの、よくある仕掛けが
多かったりします
これはパロディだからというだけでなく
ラストで何故そうだったのかわかるようになっています

ミステリファンなら観て損はないと思います
一回観て、オチがわかったら、二度観ようとは思わない映画ですけれど

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Teiran