ミラノの奇蹟のレビュー・感想・評価
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プロレタリアートとブルジョアジーの対立を止揚する神の奇蹟なのです
1951年のカンヌ国際映画祭グランプリ作品
なんだか不思議な映画です
監督のこの作品の前作はかの名作「自転車泥棒」です
幻想的風刺劇のようで、実はこの作品もまたネオレアリズモなのかも知れません
「靴みがき」や「自転車泥棒」のように、重い悲惨な現実をそのまま活写するのではなく、このように童話じみた話にすることでより主題を明確にしていると思います
そこが本作にグランプリをもたらした理由であると思います
掘っ建て小屋とも言えない、ダンボール小屋が御殿のようなバラックの貧民窟
そこの人々の暮らし
かと思えば復興再開発に躍起の金持ち達との対比
最終的には神の救いとなりますが、もちろんそんな事がある訳はないのは誰もが分かっていること
ミラノの奇蹟
そんなことがあってもいいじゃないか
そういう希望なのです
そもそもそも主人公も神が地上に下された赤子であったのです
プロレタリアートとブルジョアジーの対立を止揚する神の奇蹟なのです
貧民を政治利用し、扇動しようとする在り方への平和的な反論に感じられました
名作です
鞄を置き引きされても、盗んだホームレスに鞄をあげてしまうトト。寒...
鞄を置き引きされても、盗んだホームレスに鞄をあげてしまうトト。寒い冬、わずかな太陽光線の円の中に集まる人々。一等席の車窓に見える裕福な人と浮浪者たちとのコントラスト。バラックを建て始めた周りには、やはり戦後の高層アパートが建てられていた。
集団になるとすごい!モッビ氏所有の土地だったが、民衆が資本家を追い出してしまう。やがて石油を発掘し、居座ってからは、それほど面白くなくなるが、警察がやってきた時、ロロッタおばさんが天使となってトトのもとへ現れ、願いの叶うハトを置いていく。これだけ面白い内容なのだから、敢えてファンタジー色を強く出さなくてもいいとは思うのだが・・・
明るくて「生きてることが素晴らしい」と言うトトが爽やか。終わったら、誰とでも明るく挨拶したくなります・・・
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