ミラクル・ワールド ブッシュマンのレビュー・感想・評価
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ブッシュマン?コイサンマン?
本作の原題は「The Gods Must Be Crazy」ですが、
公開時の邦題は「ミラクル・ワールド ブッシュマン」です。
自分が最初にビデオレンタルした時も同じタイトルだったと思います。
ところが今回レンタルしたDVDでは「コイサンマン」となっています。
実はこの作品、1年くらい前にディズニー+で一瞬配信されていたのです。
「おお!こんな作品も配信してくれるんだ!」と喜んでお気に入り登録していたのですが、視聴しないうちに配信から消えていました。(本当に短い期間で消えました)
邦題が変わった理由や、直ぐに配信をやめてしまった理由は分かりませんが、昨今の風潮をみるに、まぁなんらかの懸念があるから問題になる前に対策したんだろうなと察するところはあります。権利者側がビビったんかなと…。
ただ実際に映画を見るとそういう差別的なニュアンスは個人的には感じません。
確かに主人公の「文明社会に疲れたから田舎暮らししたいワ」という発想の安直さには「田舎暮らしの不便さ舐めんな…」と田舎出身の自分は思うのですが(もちろん良し悪しがそれぞれある話ですが)
基本的にほのぼのとした笑いに溢れた優しい作品です。
なによりアフリカの田舎暮らしとなると野生のゾウやサイ、ライオンに遭遇するわけですから、シカ、イノシシ、タヌキぐらいにしか遭遇しない日本の田舎とはスケールが違います!(熊との遭遇なんて考えたくありませんので無視します)
そして映画に映るアフリカの子供たちがまたいいのです。
簡単にこう動いてという指示は出ているのでしょうが、基本的に演技なんてものはしていません。
ただ目の前で行われる可笑しなことに笑ったり、怪訝な表情を浮かべたり、興味なさげにボーっとしていたりと、子供たちの生々しい表情をカメラは捉えています。
こういう作り物の中に本物が混ざり込んでいる、虚実入り乱れたものを見るのが個人的にはすごく好きなのです。あと地味に危険スタントをこなしているのもポイント高いです!
ただ、コメディに仕立てられてはいますが、それまで自然の中で全て分け合って暮らしていたサン人の集落に文明の利器(空き瓶)がもたらされたことにより、それまで彼らになかった所有欲が刺激され、遂には争いが起こる様や、「ラストキング・オブ・スコットランド」や「ブラッド・ダイヤモンド」で見られるようなアフリカ大陸の各国で今もなお起こっている悲劇の様子が何気に描かれており、そのことを思うと胸が少しチクりとします。(それらをコメディで描いてしまう胆力がまた凄いのですが)
ニカウさんの旅の終着点である“地の果て”の雄大さは息を呑むほどです。その前では人間はなんてちっぽけで頼りないのだろうと思わせますが、そんな大自然の中で裸一貫で最少単位の集団で生きているニカウさんたちサン人の姿は人間の可能性を感じさせてくれるのです。
なんだか今のご時世ではどう受けとめられるのか?みたいな事の方が気になってしまうのが少々残念ですが、とても好きな映画です。
ビデオで。
幼児期にやたら好きで何回も観てた記憶があった映画をCSでやってたので30越えて見直した。
笑いすぎて腹痛い…筒井康隆っぽい。
でも本筋はちゃんとしててアメリカ映画っぽくヒーローになって平和に解決。
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