「漫画「君たちはどう生きるか」とのシンクロ」ミッション penguinさんの映画レビュー(感想・評価)
漫画「君たちはどう生きるか」とのシンクロ
映画(録画)を見た同じ日、偶然、漫画「君たちはどう生きるか」を読了してました。漫画「君たちはどう生きるか」の中で後で主人公と友達になる、いじめられっ子の浦川君のエピソードがあります。浦川君をいじめるいじめっ子に仕返しをしてくれようとするクラスメイトが現れ、いじめっ子をこてんぱんにしようとするのですが、いじめられっ子の浦川君はそれを止めます。一方映画「ミッション」でデニーロ演じるロドリゴが自分の弟を殺してしまったことに対する自分への罰として重荷(がらくた)を運び続け、谷間を登ろうするシーンがあります。周りがもう十分だ、として重荷のロープを切り離してもロドリゴは納得せず、自ら重荷のロープを体にふたたび巻き付け、谷間を登って行きます。その先にはかつて自分が奴隷商人として生け捕りにしたインディオたちの集落があり、そこにたどり着くわけですが、重荷を運び続け疲労困憊でいるロドリゴに対し、インディオたちが取った行動は。。。この後の場面と漫画の浦川君とのエピソードがシンクロして泣けました。この映画の主人公は神父のガブリエルではないか、というコメントを見かけましたが、この映画の主人公がロドリゴである理由はこの場面にあると思います。あと、この映画のテーマ曲ともいえるエンリオモリコーネの「ガブリエルのオーボエ」がすごく良い。この映画を見ようと思ったきっかけはこの曲にあります。事務所でBGMでかかっていたこの曲がこの映画の曲だと気づき、観てみたいな、と思っていたところに偶然にもBSでやっていたのでした。この曲は本当に英語のtouch(感動させる)という単語がぴったりきます。こころの琴線に「触れる」という言葉と重なり合う感じです。ずっと前の映画ですが、なんとなくキリスト教が絡んで食指がうごかなかったのですが。。。食わず嫌いはよくないですね。