劇場公開日 1955年12月23日

ミスタア・ロバーツのレビュー・感想・評価

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3.0英語人専用

2023年12月2日
PCから投稿

ハリウッド全盛期の教科書的な戦争コメディであることは理解します。

ストーリーが平坦で盛り上がりに欠け、映像的にも平凡です。
酷い、というほどではありませんが、面白いとは感じません。

アメリカでは相当評判のいい作品なので、ストーリーや映像ではなく、セリフのやり取りが持ち味のはずなので、英語人以外には厳しいでしょう。

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越後屋

2.0本物の映像

2021年1月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 米海軍の全面協力によって、本物を使った映像。戦列を離れたからといって、こんなに気楽な海軍だとは・・・そして ジャック・レモンがこんなにコミカルな演技していたなんて思いもよらなかった。まぁまぁ面白いんですが。

 所詮ロバーツは戦争に参加したがっている男。クルーたちは戦争などどうでもよくて楽しめればいいと思ってる奴ラ。日本人がこの映画を観て面白いわけがなかろう・・・小ネタは面白かったけどさ。

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kossy

4.0今は輸送艦バケツ号のようなところでくすぶっていても、それで終わってはならないのです 普遍的な物語なのです

2020年11月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

本作はヘンリー・フォンダが主役でブロードウエイで公演された舞台の映画化
1948年から数年間、上演回数1157回を記録したというから大ヒットの舞台です
本作の主演はもちろん舞台で主役を務めたヘンリー・フォンダです

監督はジョン・フォード
しかし肝臓を患って途中降板、スタジオ撮影など残りの撮影をマーヴィン・ルロイが担当したとのこと
ある資料にはジョン・フォードとヘンリー・フォンダの間で演出を巡って深刻な対立があったとも書いています
真偽不明ですが、フォンダがフォード監督の演出を間違っていると非難して、怒ったフォード監督がフォンダを殴ったともいいます
これが本当の降板理由だったかも知れません

フォード監督はその後も作品を幾つも撮りますが、本作以降フォンダを使わなくなったようです
またフォンダもまた完成した本作については不満を持っていたというニュアンスのことを娘のジェーン・フォンダが特典映像で語っていました
数年間も舞台をしてきた自負が彼には有ったとは思います
しかし考えてみれば、ジョン・フォード監督作品には、ジョン・ウェイン程では無くても、フォンダは常連俳優でしたから、それだけで巨匠のフォード監督に盾つかないと思います

フォンダは海軍に入隊して3年も従軍して、勲章や大統領感状を授与されたほどの人です

特典映像で、老人となったフォンダの叙勲を海軍のコーラス団が歌で祝い、歌の最後にリード歌手がサンキューミスタアロバーツ!と敬礼するシーンが有りました
フォンダは腰を浮かせて挨拶を返そうとしています
感激で顔面は紅潮して肩が震えています
目頭を指でなぞっています
彼に取って海軍から祝福されることは最高の名誉だったに違いありません

だから海軍を愛する彼にとっては、艦長を不名誉な人物で描こうとする演出には我慢ならなかったのだと思います

こんなことは、もしかしたらそうだったかもレベルのお話です
でも映画としては、その場合のフォード監督の演出の方が正しかったのではないかと思います
もっとキャグニーが映画「白熱」でみせたような強烈さ悪辣さを出した方がもっと面白かったと思います
今ひとつキャグニーを配役した意図が活かせていなかったと思いました
キャグニーならこうするはずというものが見られなかったからです

ジャック・レモンの出世作でもありました
本作でアカデミー助演男優賞を穫っています
もっと彼の登場シーンを増やしたいとみんな思ったはずの大活躍です

終盤、ミスターロバーツからの手紙には、こうありました

退屈な無気力な日々を送る兵士たちが多い
たまにほかの仕事をしても単調なのものだ
ここでは連日戦闘が続く
しかし戦争には退屈という見えない敵がいる
それが高じると自暴自棄になってしまう
その退屈にこそ屈伏しない者こそ、最強の男なのだ

忙しい、だけど単調な日々を暮らす誰にでも当てはまることです
今は輸送艦バケツ号のようなところでくすぶっていても、それで終わってはならないのです

そしてその前、対独戦終戦の知らせがあった夜のラジオから流れる英国国王のスピーチ
そう2010年の映画「英国王のスピーチ」のあの人です

今日は戦争に勝ちましたが、戦いはまだ続きます
我々の本当の敵は何なのか?
野望、冷酷、傲慢、そして愚かしさ
それが敵なのです
敵を撃滅すること
はびこる悪を葬り去ること
それが急務なのです

ミスタアロバーツはそれを聴いて決意できたのでバケツ号から抜けだすに至る勇気ある行動を起こしたのです

これがメッセージです
海軍の物語ですがその世界だけのことではありません
普遍的な物語なのです

あなたの部署にも椰子の樹が有りませんか?

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あき240