「20数年ぶりのミザリー」ミザリー soleilヾ(´ε`○)さんの映画レビュー(感想・評価)
20数年ぶりのミザリー
確か初めて観たのは高校時代。未だにトラウマみたいに覚えてる足首を折るシーン。一番好きな映画の「ミザリー」だが、結末を思い出せない。ということで久々に。
「ミザリー」の著者が、小説家として次のステージに行くべく、ミザリーを死なせる最終章を書き終わってNYへ行く際雪山のホワイトアウトで事故にあってしまう。運良くファンのアニーに助けられたものの、本当は計画的に(匂わせはあったものの、本当なのかは不明)事故に合わせられ自宅軟禁されることに。
アニーの自己主張の強さや強めの承認欲求、ふくよかで優しそうな見た目でおっとりしてるかと思えば急に激昂する異常さがほんと秀逸。
作者と近づけた有頂天からの、ミザリーが殺されたーーー!の絶望からの新作強要。どれだけ時間が経ったのかは明かされず、小説のチャプターが進んでいることだけが視聴者に明かされる。窓の外の雪が溶けてたり吹雪だったり、え?何年か経った?と思いきや、最後の最後で4週間しか経ってないことがわかって、病院にも行ってないのにそんな足治る??ってのはご愛嬌。
軟禁からの脱出トライ、で見つかるかものヒヤヒヤからの和解…?いやいや再脱出頑張るも残念。部屋から抜け出したのとキッチンのナイフを持ち出して反撃しようとしていたのがバレて、体を固定され「足潰しの刑」足首を固定されハンマーでドーン!!っと折られ、恍惚な表情で「愛してる」って言った時のアニーの顔…!キャシーベイツってほんとにすごい女優さんだなーと惚れ惚れ。
ディナーをしよう、とロマンチック時間に集めた薬をワインに入れるもまさかの零しちゃって絶望。
最後の最後に保安官が見つけてくれたのに、散弾銃で撃ち抜くなんて、あの保安官めちゃいいお爺ちゃんだったな…。
最終的には、書き上げたラストを燃やして原稿を守りたいアニーの頭上からタイプライターどーん!!血だらけのアニーと格闘。この格闘が怪我人とふくよかさんだから、ずんぐりむっくりと美しくなく、それがリアルさを醸し出してて泥臭いアニーの人生を物語っているようで泣けた。
最終的に助かって、次のステージに進む主人公の心には永遠に死んだはずのアニーの影がつきまとう。1番のファンだから。ってこわこわこわ!!!!!
特典映像で、保安官がポールの車が埋まってるところから道に停めた車に戻る時に、カメラをくるっと回してアニーの車に合わせて「探す保安官と匿うアニー」を一緒のシーンに入れるというカメラワークを開発したんだ!って言ってたけど、今ではよく見るようなカメラワークってこの時に生まれたのか、と目頭が熱くなった。
やっぱ最高だな、ミザリー。
キャシー・ベイツ、適役でした!「ミザリー」好きで舞台も見たことあります、昔。作家役が市村正親さん、アニーは白石加代子さんでした。キャシーのが怖かった!