マンハッタンの二人の男のレビュー・感想・評価
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NYロケが光るジャン=ピエール・メルヴィル監督作
ジャン=ピエール・メルヴィル監督によるノワール映画…ということなので観てみたら、失踪男を探すドラマではあるが、ジャーナリストのモラルを問う映画であった。
国連会議にフランス代表が欠席したため、記者とカメラマンがその行方を追い始めて、彼等を尾行する車も……というあたりはノワール風。ただ、この時点では誰も死んでいない。
そして、失踪したベルチエという男を探すのだが……。
本作で、記者をジャン=ピエール・メルヴィル自らが演じて、ちょっと逸脱したカメラマンをピエール・グラッセが演じたが、とりわけ眼を引いたのは失踪フランス大使の娘を演じたクリスチアーヌ・ユーデスであった。
物語面では意表を突いた展開は見られぬものの、1950年代のニューヨークロケが見もの。その背景に流れるジャズが夜の雰囲気を盛り上げる。
NYロケでは、夜のタイムズスクエア、(チラリと)国連ビル、ロックフェラーセンターを映すだけでなく、地下鉄の中は「良く撮ったな…」という映像。
ロケシーンで、映画館の輝く看板に「バート・ランカスター、リタ・ヘイワース、デボラ・カーなどと SEPARATE……」なる文字についつい目が…(笑)
『旅路』がニューヨークで公開されていた場面。
本作は、確かに「それで、どうなるの?」が気になって見続けることになるのだが、ノワール映画(フランス映画なので「フレンチノワール」)ではなかった。
それでも、なかなか面白く観られる映画だったと思う。
フランス人とハードボイルド
J・P・メルヴィル監督の才気を感じさせ、
映画監督と言うより、映像作家と呼ぶにふさわしい
作品に仕上がっている
アメリカでの仏国連代表失踪事件を 探る、フランス人記者(メルヴィル)とカメラマンの話だが、事件の内容より 二人が夜の大都市を 彷徨う映像が素晴らしい
背景に流れる マーシャル・ソラールのモダンジャズもお洒落
台詞もハードボイルド調なのだが、フランス人と
ハードボイルドが 微妙に違和感があることが判る
(やはり、アメリカの風土や人、特有のものか)
メルヴィル監督も、面白い雰囲気を出しているが
ボギーの様にはきまらない
舞台をアメリカに移しても、フランス人はフランス人なのだ、とも思う
ゆえに これが後に 彼によって、フレンチノワールに進化し、確立(洗練)されてゆくのが判る様な気がする
あとは 完璧!
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