劇場公開日 1980年2月23日

「【”少しは、人を信頼しなよ。”と若きガールフレンドは私に優しく言った。今作はマンハッタンに住む複数男女の恋愛関係をシニカルテイストを絡めつつほろ苦く描いた素敵な恋愛映画である。】」マンハッタン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”少しは、人を信頼しなよ。”と若きガールフレンドは私に優しく言った。今作はマンハッタンに住む複数男女の恋愛関係をシニカルテイストを絡めつつほろ苦く描いた素敵な恋愛映画である。】

2023年12月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

ー 今作は、ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」が流れる中、映し出される高層ビル、パーク街、そしてマンハッタン橋。ニューヨークを舞台にした最も美しいモノクロ映画である。(スイマセン・・。あるサイトの言葉をそのまま記載しています。)
  けれど、この惹句は魅力的なのである。-

■マンハッタンに住む42歳のアイザック(ウディ・アレン)。
 2度の結婚を経験している彼の現在の恋人は17歳のトレイシー(マリエル・ヘミングウェイ)。
 ある日、表面的な知識をひけらかすジャーナリスト・メリー(ダイアン・キートン)と出会い、最初には嫌悪するが、彼女のどこか影のある姿を見て、恋に落ちたアイザックは、トレイシーと別れてメリーと付き合い始める。

◆感想<Caiton!内容に触れています。>

・可なり、ビターテイストの恋愛映画である。
 アイザックは自分と同嗜好のメリーと出会った時の、彼女の過去の偉大なる映像作家及び美術の巨匠を揶揄する言葉に嫌悪感を抱くが、徐々に彼女と自身との嗜好の同一性に気付き、彼女に惹かれていくのである。

・アイザックが二度の離婚を経験したことも何となく分かる、彼の病的な精神思考が伺える様も上手く表現されている。

・アイザックの二番目の妻ジル(メリル・ストリープ)が自身との結婚生活を記した本を刊行する事を知ったアイザックのオロオロする姿が、何故か笑える。

<今作では、良い年をした男女の恋愛関係をシニカルテイスト満載で描きつつ、ラスト、僅か17歳のピュアな心を持つトレイシーの”少しは、人を信頼しなよ。”と言う言葉にガツンとヤラレル作品である。
 真なる恋愛って、妙な駆け引き無しに、【好きな人には、キチンと好き!】と伝える当たり前の事をすべき!というメッセージがジワリと響く作品である。>

NOBU