「今が良ければ…」マンハッタン parsifal3745さんの映画レビュー(感想・評価)
今が良ければ…
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ウッディ・アレンの映画を久々に見た。ニューヨークのマンハッタンに住む、男女5人の物語。アイザック(アレン)とメリー(キートン)は、哲学、心理学、演劇、美術など、ニューヨークに集まる先端の考え方に通じていて、頭でっかち、理屈っぽい。教師役のエールと17歳のトレイシーは、もっとストレートで直情的。エールは既婚者で、メリーは彼を愛しつつも不倫の関係は望まず別れようと。アイザックは、トレイシーが、まだ子どもだと言い、関係を続けながら別な男を見つけろと。一般道徳的に言えば、アイザックとメリーが付き合えばいいのにって。でも、エールがメリーを忘れられないって言い始めたら、彼のことを愛していると。振られたアイザックは、ロンドンに旅立とうとしていたトレイシーを引き留めようとする。
どんなに最先端の考え方を標榜していても、アイザックは自分可愛さが優先?に腹が立った。メリーがエールを忘れられないのは、アイザックとは似ているけれど、本当に自分が求めるものは、論理ではなく、直観、真実、持続的な犠牲や愛情なのだと。でも、マンハッタンにいれば、嫌でも、人間は、アイザックやメリーのようになっていくように思える。
都会のネオン、夜空を彩る花火の華やかさも、そんな都会の慌ただしさと情報の過多、見栄や虚勢によって生み出される人間たちを象徴しているかのよう。
ウッディ・アレンが、小型の室内犬のようで、よくしゃべる、よく絡む。その軽さ、可愛らしさが、都会の女性に受けそうだけれど、永続的な価値には通じないってテイストを感じた。
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