「偏見と蒙昧と理不尽の時代に+ちょっと言い訳」マンディンゴ よしえさんの映画レビュー(感想・評価)
偏見と蒙昧と理不尽の時代に+ちょっと言い訳
あらすじなどはWikipediaででも読んでください。わたしはこの物語を言葉に起こすことにためらいをを覚えます。
物語はもちろんフィクションなのだけれど、ここに描かれる人種差別、女性差別は実際にあったことだし、これを映画で描いたのは「こんなひどい時代があったのだ」と記憶に留めるためだったのだろう。
こんな時代は、ついこの前まで続いていたのだ。いや、今だって少しはましになったというだけで、そう変わっていないかもしれない。いずれにせよ、こんな偏見と蒙昧と理不尽の時代があったことだけは、忘れてはならない。二度とこんな時代が訪れないように。
……などと書いてみたけど、どうもどこかがムズムズするので言い訳程度に。
この映画、まともに感想を書こうとするとどうしてもこういう、ともすれば偽善的にすら見える言葉で埋め尽くされるから書きにくいのよね。。
一つの教養として観ておくべきという気もするけど、『エレファントマン』みたいに監督はフリークスもののつもりで撮ったらヒューマンドラマみたいな持ち上げられ方をされた例もあるから、当たり前だけど映画の見方にこれが正しいなんてものはあるはずもなく。
で、今の世の中、こんな映画を見たら、ポリコレ的に正しそうに見えることしか言いにくいのも確かなんですよ。ミードの引き締まった体が素敵とか、それ自体は書いてもいいけどそういうのばっかり書いてあったら「こいつ何見てたんだ?」ってなるでしょ。まあだからそういうことです。
言い訳の上に言い訳を重ねると、上に書いたようなことももちろん同時に思ってますけどね。
コメントありがとうございます。
そうですね、どうしても重いテーマがあると評価もそれに引きずられてしまうのですが、それを別にしても作品としての完成度が高く、良い映画だと思います。
率直なコメント、なかなか同感です。確かに残すべき歴史を描いている貴重性だけでなく、映画としてすごくそれぞれのキャラクターを美しく映していますよね。
映像美、肉体美、性的美の作品としても魅力もあると思います。
そうでなければ、奴隷としていた黒人と交わる説得力に欠けていた気がします。
感謝。m(_ _)m