「何年越しかの二日目が始まりの終焉」マリア・ブラウンの結婚 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
何年越しかの二日目が始まりの終焉
ラジオの音が被さりながらドイツの歴史を踏まえた上で効果的な演出が無知なほどに理解されない自分の愚かさ、冒頭からコントのような場面に拍子抜け、ラストのオチは予想通りで呆気にとられる、健気にもマリアが想う夫に対する一筋の愛情さえ疑ってしまう女性としての強さが太々しくも可憐で自由奔放な行動に可愛さも含めて魅了される、そんなファスビンダーのファム・ファタールを演じたハンナ・シグラの存在感が際立つ。
物語は単純にも明るい訳ではないにして暗く重い印象から比べると嫌悪感を抱くような展開すら無く一人の女性が成り上がる話を楽しく観れてしまう、ファスビンダーに抱く何本か観ている作品の中で全てはギャグなのでワ?と思えてしまう和やかな描写からコミカルな展開に知的な小難しさより物語を描く面白さがクセになる。
爆撃で始まり爆破で終わる、二人の先に続く物語に興味を持ちながら、不幸な顛末が幸福にも離れる事は無くなって、不謹慎ながらも微かな笑みが込み上げてしまう驚愕なロマンチックが炸裂!!?
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