「フランスの戦争風刺喜劇」まぼろしの市街戦 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
フランスの戦争風刺喜劇
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フランスの反戦コメディ映画です。舞台は第一次大戦末期のフランスの小さな町、広場に爆弾を仕掛け撤退するドイツ軍と進軍する連合軍、主人公はフランス生まれの英国人、軍ではしがない伝書鳩の通信兵なのですがフランス語が話せることで町への潜入の命が下されます。まあ、ここまでは割とまともな展開なのですが戦争の最中だというのに町はお祭り騒ぎの華やかさ、この突飛なシチュエーションの口実として町の人は皆逃げて、馬鹿騒ぎをしているのは精神病院の患者たちということにしています。殺し合いの狂気と狂人たちの馬鹿騒ぎを対比することで戦争を皮肉っているのでしょう、劇中に若きヒットラーとおぼしき兵隊も登場して笑わせます。
見どころはサーカスの動物たちも交えて束の間のショータイム、町の賑わいぶりでしょう。デジタル修復版でしたので華やかに蘇っています。
「1917 命をかけた伝令」も第一次大戦の若き兵士の物語でしたが本作とは陰と陽、表現手法がこうも違うと同じ反戦映画とは括れませんね。
まあ、フランス人らしいひねり具合の奇作だとは思いますが、時代が第二次大戦なら悲惨過ぎて成立しえなかったでしょう、私にはこの手の趣向はブラックすぎてピンときませんでした。
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