「孤軍奮闘」真昼の決闘 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
孤軍奮闘
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総合:70点
ストーリー: 75
キャスト: 70
演出: 65
ビジュアル: 65
音楽: 70
たった一人で今まで命懸けで平和のために尽くしてきた町に戻っても、協力者がいない。誰一人として一緒に戦おうとしない。クーパーはもう正式な保安官ではないから、自分を次の保安官に推さないから、クーパーと彼らとの問題だから町は関係ないから、クーパーのせいで利益が減って恨みがあるから、勝ち目がないから、怖いから、これから赴任する新しい保安官とならいいけど町を去る人とは戦えないから、と次々に断りの理由が出てくる。
確かに彼らの言い分は理解できるものもある。町の人々にもそれぞれ守らなければならないものがある。立場が変わればお互いの利益や目的も異なるし、やはり自分が一番可愛いというのが人間の本質だろうか。クーパーが一人出て行けば、ひょっとするとやつらもクーパーを追いかけてそのまま町を出て行くのかもしれない。だがもしやつらが町に留まってまた治安が悪化したらどうするつもりだったんだろう。
とにかくこれは辛い。クーパーも一緒に戦ってくれる仲間を当てにしていたはずだ。これほどの逆風は予想外だろう。古いアメリカ映画はたいがい正義の味方を命懸けで応援する支持者が最後の最後に出てきたりするものだ。結局一体誰が協力して戦うのだろうと思っていたが、その意味で視聴者まで裏切られる。最終的に戻ってきたとはいえ、一時はこの日結婚したばかりの嫁にすら逃げられた。本人も逃げ出したくなるのもわかる。それでも勝ち目の薄い戦いを決意するまでの辛い孤軍奮闘になる過程がよかった。
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