劇場公開日 2019年9月6日

「理屈は分からないが、驚異の映像に…」マトリックス KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 理屈は分からないが、驚異の映像に…

2025年10月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

もう25年以上も前の劇場鑑賞時に購入した
大判のカタログを手元に、
TV放映を機に懐かしの再鑑賞。

今ではCG処理で
何ということも無い映像なのだろうが、
ワイヤーカンフーアクションよりは、
キアヌ・リーブスの周囲に100台以上の
カメラをぐるりと並べて撮影したという、
身体を反って銃弾を避けるシーンの予告に
驚きを覚え、劇場に通った記憶がある。

当時は、そんな驚異的な映像が印象的
な作品だったが、
今回の鑑賞では、コンピュータが支配する
社会への将来不安を感じるばかりだった。
コンピュータの発電源を確保するために、
人間が“栽培”されているとの設定は、
スーパーコンピュータが膨大な電気を必要
としているとの現代を風刺しているようで
不気味に感じる。
また、人工頭脳が人類をウイルスと同様に
危険分子と見ているという点も。

さて、ネオがトリニティのキスによって、
つまり愛によって突然にスーパーマン化する
設定は、OS上の隠喩なのかも知れないが、
物語としては安易に感じた。

しかし、そんなことは別にしても、
この作品で分からないのが、
現実世界へ目覚めたネオやモーフィアス達は、培養されていたはずの人間発電所から
どうやって脱出出来たのか、
また、人工頭脳側が管理しているはずの
仮想空間に、
モーフィアス側が、どのように
同じ空間の中で対峙出来て、
そこでの勝利が現実空間での勝利に
どう繋がるのかが、私は理解出来なかった。

しかし、まぁそんなことは気にしないで、
視覚体験を楽しむべきものなのだろう
と感じられる
見事な映像作品ではなかったろうか。

KENZO一級建築士事務所
PR U-NEXTで本編を観る