「惜しむらくは」マトリックス 肉ネ~ムさんの映画レビュー(感想・評価)
惜しむらくは
今更初見。
いかにも「俺らカッコイイでしょ?」な映画はちょっと苦手なのだが評価にたがわず相応に面白かった。リアルタイムで観ていたらまた違った思いもあったろう。
基本的にはぞわっとしたり余韻に浸れるようなのが好きなのでそういう意味で惜しかったのは主人公が「真実の世界」に行くまでの印象的なエピソードの無さ。
たとえば家族や恋人との平凡だが幸せなひとコマであったり、ペットの猫が死んでしまって悲しかったり、主人公の体験からそんな誰もが日常で感じる喜怒哀楽を思い起こさせたうえで、あんなこんなの様々な出来事ももしかしたらVRだったのかもしれない?と思わせながら人間の意識と記憶の曖昧さと薄弱さ、掴みどころのなさをもっと描いて欲しかった。
最初から主人公の現代人としての日常生活を描写していないので現実とVRが逆転してしまった落差が結果的に矮小化されてしまったように思う。
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