劇場公開日 1995年9月15日

「許されない恋だから美しいのか」マディソン郡の橋 parsifalさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0許されない恋だから美しいのか

2023年10月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、TV地上波

泣ける

萌える

 二人の子どももティーンエイジャーとなり母親の手を離れ、夫との関係もマンネリ気味。ロバートに家族のことを聞かれて、悪いようには言わないけれど、夫への思い、諦めた夢、田舎の人間関係の難しさなどが透けて見える。トキメキを覚えたロバートを追う視線に、恋する者のドキドキ感
を感じた。お互いに許されない恋とわかりつつも、会話を交わすごとに、この人!って少しずつ確信を深めていくような描写が良い。
 二人に許されている時は4日間のみ。ロバートは風来坊。どこかにいつくタイプではない。たとえ彼についていっても、一緒に旅をして歩くわけには行かないだろうし、一気に恋が冷めるかもしれないし、残してきた家族に後ろ髪を引かれて罪悪感にさいなまれるだろう。それでも、今までに経験したことがないような恋の喜びが彼らを苦しめる。
 世の中の結婚すべてが、この人しかいないって形で成就すれば、不倫はもっと減るのだろう。そこが結婚の難しいところ。いつの間にか、男女間の恋や愛のエネルギーの交流が遠ざかっていってしまう。
 人生でただ一度だけの恋と確信したからの、別れの切なさ。別れを受け入れなければならない苦しさ。ツインレイって考え方があるけれど、まさにそんな感じ。二人にしかわからない世界ってあるのだろう。
 4日間だけの恋だったからこそ、なおさら美しい思い出として、二人の間に永遠に生き続けるのだろう。
 しかし、40・50を過ぎて、恋をできるって羨ましいとも思った。現実、そんな風には、行かないものですよね。

parsifal3745