「1、2は一旦置いといて(笑)」マッドマックス サンダードーム どすこいたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
1、2は一旦置いといて(笑)
フュリオサ鑑賞に向けてのおさらい、第3弾。こ、これは…マッド・マックスって何だっけ…?私は何を観ているんだ…?
なんとなく、作品紹介やギャラリーを見ていたので予感はしていたものの、ここまで作風が変わるとは…!もしかして1、2のヒットを受けて予算が取れて、いろんなことが出来るようになったからなのでしょうか。セットのスケールは大幅にアップ。エキストラも何倍にも増え、絵的には大作映画と遜色ない程に。
しかし、完成されたと思われたマッド・マックスのアイデンティティを3作目にして壊しにかかるとは。とんだ冒険をしたものです。過去作が好きで本作を観た人達はがっかりしたかもしれません。なにせこれ、ほぼファンタジー映画ですもの。「荒廃した世界」を追求したせいでもはや原始人状態。皆が観たかったカーアクション、ヒャッハーバトルは終盤のみ。評価が低いのも頷けます。
でもこれ、別のタイトルつけてたらもっと評価されていたのでは?と思うのです。「マッド・マックスっぽかったけど面白かったね」みたいな。マッド・マックスを期待していたせいで評価が下がっているのだとしたら残念ですね…。
前半は「バータータウン」というモヒカン達が集まる町で、マックスが女ボスに利用され、殺されかけて追放されるお話。中盤はほぼ子供だけで形成された集落にマックスが辿り着いて、救世主扱いされるお話。この辺でストーリーについていけなくなる人がほとんどだと思います(笑)「マッド・マックスって…何だっけ…?」ってなります。もう別の映画だと割り切りましょう!ここを乗り越えれば極上のエンタメファンタジーが後半で待っているのですから!
そう、この映画の見所は後半30分に全て詰まっていると言っても過言ではありません。それまでの約一時間の間で気持ちを切り替えられるかどうかが重要です。ファンタジーを受け入れることが出来たら、マックスが子供達と奮闘する後半は最高に楽しめます。コープスメイクの男の子がいい味出してたり、爆走機関車や飛行機おじさんの登場と見どころ満載!
シリーズとして観るならおすすめできませんが、マッド・マックスっぽいファンタジーとしてなら推せます。