「クエスチョンマーク?」絶対の危機 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
クエスチョンマーク?
スティーブ・マックイーンがこの手の映画に出演?、ということで鑑賞。
ジェームズ・ディーンの「理由なき反抗(1955)」と「原子人間(1955)」を合体させたような青春ホラー映画。62年も前の作品なので流石に今観ると物足りないのも否めませんね。
CGなんてない時代だからゼラチンや水あめ的なモンスターは手軽さNo.1、いわばレジェンド、東宝の「美女と液体人間(1958)」もその走りでしょう。ただ、東宝の方はメロドラマ風、必然性の無いお色気シーンも加えてB級ホラーの典型的つくり、本作は男女関係も明朗健全、町民が力を合わせて消火活動ならぬ怪物退治に一致団結というベタな展開で王道の青春映画風なのでした。
ジェームズ・ディーンは不慮の事故死を遂げていたし生きていてもギャラが高くて無理、ほぼ同年代で売出し中のスティーブ・マックイーンを起用、売れていたらこの種の映画は避けていたでしょうに初主演とギャラ3000ドルに折れたのでしょう。映画でもオマージュもどきに不良連中と珍奇なレースをしていますね。
「原子人間」は当時、夜空を見上げるのが怖かった記憶が残る名作だが、こちらは技術不足なのか襲われるシーンが描けておらず怖くもなんともない、あまりモンスタードラマに寄せるとマックイーンが降りてしまうと思ったのでしょうかね。感電死を狙うのは明らかに「原子人間」へのひっかけなのだが2番煎じなので消火器で撃退、この種の映画に欠かせない異端の生物学者も登場せず、いきなり海に投棄ではあまりにも無責任、次は殺人クラゲ?、続編への算盤づくがありあり?。「美女と液体人間」では火炎で殲滅だが生物ならその方が妥当な対処、ただこちらは隕石由来なので熱に弱いとすると大気圏突入時に死んでしまうからだろうし冷却で冬眠は寒い宇宙を旅する術だったのでしょう、そう考えるとお手上げでクエスチョンマーク、問題先送り型解決も浅知恵として納得なのかも知れません。時代を考えると若者向けの娯楽作としては上出来の部類だったのでしょう。