劇場公開日 1996年11月

魔人ドラキュラのレビュー・感想・評価

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5.0本家本元の迫力

2023年11月14日
PCから投稿

昭和6年の時点でこの質は当時大ヒットしたことも十分に理解できます。

ゴシック調の暗い雰囲気、わかり易く言えば有名なエクソシストのポスターみたような画面を基調にしています。

ストーリーはオーソドックスですが、全てのドラキュラの本家本元、ルゴシ先輩の無言の存在感、絶妙な出番、鋭い切り返し、ユニバーサルモンスターの迫力が伝わってきます。

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越後屋

5.0初期トーキーとホラー映画の始祖 この二つに本作を観る意味も意義もあると思います

2023年9月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

魔人ドラキュラ
1931年公開、アメリカ映画
白黒トーキー作品

原作はアイルランド人の作家が1897年に出版した「吸血鬼ドラキュラ」
これがドラキュラものの全ての始祖です

ハンガリーの図書館で読んだ「ワラキア公国とモルダヴィア公国の物語」にある「串刺し公」ヴラド・ツェペシュの残虐な話から著者がインスピレーションを得た怪談だそうです
そこにアイルランドの吸血鬼伝説や先輩作家の書いた怪談を合体させたもののようです

ドラキュラというのは、件のヴラド公の徒名だったそうです
ルーマニア語での意味は「竜の子」
ニュアンス的には「悪魔の子」として捉えられる徒名だそうです

ワラキアとは、現在のルーマニアの南部のこと
特にトランスシルヴァニア山脈とドナウ川にはさまれた盆地の辺り
モルダビアとは、ルーマニアの東隣、現在のモルドバ共和国のこと
ウクライナのオデーサ西方にあります

本作冒頭に登場する伯爵の城のモデルはルーマニアの首都ブカレストの北方150キロ程のブラン城だそうです
だいたい日本でいえば江戸と群馬の沼田城くらいの距離です
トラシルバニア山脈の狭い峡谷の岩棚の上に現在もなおそびえ立っているそうです

この小説が1920年代に舞台化されてロングランとなります
この人気に便乗して製作されたのが1922年のドイツ映画「吸血鬼ノスフェラトゥ」です
でもこれは版権を得てなかったため著作権侵害で訴えられ、ネガとプリントを焼却せよとの判決がでたそうです
しかし既に世界中にプリントが配給済みだったため今日でも人気で簡単に観ることができます
でも内容はかなり翻案されています
その点本作はキチンと版権を得ているので、多少の翻案はあってもほぼ原作通りです

アメリカでは1927年にブロードウエイで公演されて大ヒット
これに目を付けて正式に版権も得て映画化されたという流れです

どちらかというと舞台の内容に近いものになっているそうです
特に伯爵の黒の夜会服、高い襟の立ったコートは舞台からの由来だそうです

初期のトーキー作品のため、音楽も多少は入れられていますが、それ程音楽や音響にこだわりや工夫は見られません
そこが同じ1931年公開のドイツ映画の「会議は踊る」とは大違いです

しかしドラキュラ伯爵役のベラ・ルゴシはブロードウエイの舞台でドラキュラ役をしていた人ですが、ハンガリー出身でした
その彼が強いハンガリー訛りの英語でトーキーで恐ろしい声で話すのですから迫真さが段違いです

つまりその点で、本作も声という音を武器として、トーキーにはサイレント映画にはない表現力があることを示した映画であったわけです

そのうえ彼のものすごい目力と怪演があるのですから本作は、世界的に大ヒットして、ホラー映画のブームを作ります
フランケンシュタインは本作の大ヒットを受けてホラー映画第二弾としてすぐに映画化されました

さらに言えば、もし本作がなければ、今日のゾンビ映画すら無かったかも知れないということです

初期トーキーとホラー映画の始祖
この二つに本作を観る意味も意義もあると思います

映画もおもしろく退屈はしません

特にヴァン・ヘルシング教授が登場するとがぜん面白くなります
ヘルシング教授は本作以降ドラキュラものには必ず登場する人物となり有名な役となります

クリストファー・リー主演の「吸血鬼ドラキュラ」は1958年のイギリス映画でカラー作品です
こちらは本作の正統なリメイク映画といえるホラー映画の金字塔です
こちらもぜひ

今日のドラキュラとはこういうものだというイメージは本作とその作品で世界中で固定されたのです

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あき240

1.5静かな怪人

2018年10月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

加害者も被害者も静かめ。盛り上がりも少なめ。

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Ryuta

3.5怪物シリーズ

2014年8月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

フランケンシュタインに続いて、怪物シリーズ第2弾!!
非常に抑制的に、ヴァンパイアを描いている印象でした。静かに、静かに、迫りくるドラキュラ伯爵を描いています。怪しく窓辺に立つドラキュラや、木の陰に潜むドラキュラなど、その身振りが決して大げさでないところが、余計に彼の存在への恐怖を煽りたてます。
この映画で使用されている階段の見事さといったら、他では中々味わえませんよ。静かに、静かに、ドラキュラが降りていく様が印象的でした。

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チャーリー