「出演者の演技はいいが、このような物語を堪能するには自分は経験が足りない」マイ・ルーム Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
出演者の演技はいいが、このような物語を堪能するには自分は経験が足りない
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総合65点 ( ストーリー:65点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
介護にのみ人生を捧げる中年女性には、傍目には自己犠牲のみでたいして喜びも希望もなさそうな生活に見える。私ならば窒息しそうな生活にすぐに嫌気がさすだろうし、事実彼女の妹はさっさと家を出てしまった。とても献身的な人ではないとこんなことが出来ないように思えるし、いったい何を楽しみに生きているのかと思うのだが、それでも本人にはそれが生きがいだったりするのだから早合点は出来ないものだ。しかしその上に自分の病気という新たな不幸が起きてしまうと、物語としては救いがあまりない。不幸な中にもささやかな温もりを見つけては幸せを感じている家族の姿は、観ていて切ない。妹の家族は破滅しつつある姉の家族に触れ合って無償の愛を知り親子関係を改善させるし高尚な主題だとは思うものの、あまり自分の好きな話ではなかった。
演出の質はいいし、有名女優が演じる姉妹二人の演技もいい。特に長男のハンクを演じたディカプリオは存在感があったし、痩せた体に美形な顔を見せる彼の若さは見所。「ギルバート・グレイプ」でもそうだが、少年時代から彼は素晴らしい演技をしているのがわかる。脇役のデ・ニーロは今回は特に見せ場なし。
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