星の王子さまのレビュー・感想・評価
全3件を表示
羊の絵を書いて
内藤濯の翻訳で持っていたこの本。
岩波書店の愛蔵版。
読んでいた方は多いだろう。
僕もそのひとりだ。
不思議な印象と、長い余韻を残すこの原作は、きっと誰しもの心に、王子と飛行士の対話の物語 (ソクラテスディアロゴス)として、
そして王子の旅の記録 (ルポルタージュ)として
子供の頃から今に至るまで、ずっと心象の海に、空に、そして砂漠の砂原に、航跡を引いていたはずだ。
映画化されて、それがアメリカ産のミュージカルになったのだと聞いてはいたが、僕は、原本の貴さのゆえに その類には近づかないようにしていた。
しかし禁を破ったのには理由がある。
ずっと引きこもりをしていた同僚の娘さんの事。手紙や小さなプレゼントのやり取りはしていたのだけれど、
一度も自分の名前は明かしてくれなかった彼女との往復書簡も、
僕の定年退職と帰郷で終止符を打つことになったから。
サヨナラの手紙に「星の王子さま」を添えたのだ。
外に出られない彼女に、この風変わりな物語のプレゼントは果たして大丈夫だろうか・・。それをこの映画でも確かめておく必要もあったのだ。
迷ったあげく、内藤濯ではなくドリアン助川の新しい訳本を選んで
決心して送った。
あと数十年を、この本があの娘を守ってくれるようにと祈っている。
・ ・
宮崎駿は
天空の城ラピュタの主題歌「君をのせて」において、王子の星の「あの花」を思わせる一節があるし、
フランスの飛行機乗りの物語「紅の豚」も、パイロットだったサンテグジュペリへのオマージュだろう。
ゲランには夜間飛行という香水もある。
壊したくない、はかなくもろい自分のナイーヴ感覚を
今もなお、風覆いをかけて、この地球のあちらこちらでそうやってそぉっと守っている大人たちがいる。
ミュージカル化に挑んだ本作の映画人たちの、柔らかい魂のことも想った。
・ ・
僕も星を出て、星のあいだを惑いながら泳ぐ旅人だ。
帰る当てもなく、砂漠に独り居る自分を感じたなら、
あなたも愛蔵版を、そしてこの映画を、手を伸ばしてもう一度味わうのも良いと思う。
毒は薄められているけれど、原作を知っているなら問題ない。
今さらだがやっとわかった。
大人のための、大人の童話だった。
サハラ砂漠
原作は第二次世界大戦中に書かれた
どちらかというと大人向きの(ような気がする)絵本
映画はドーネン監督による
大人も子供も楽しめるミュージカル仕立て
私はヘビのフォッシー(振付師/監督)のダンス目的で観た
マイケル・ジャクソンに影響を与えたのね
やっぱり面白かったのがジーン・ワイルダーで
だんだんキツネに見えてきたから不思議
フォッシーの独特なパフォーマンスの後でも
全く別のタイプの存在感を示していた
(かなめの台詞を言う重責を見事に果たした)
パイロットは地上にうんざりして空へ
王子さまはバラを理解出来なくて旅に
地球でこの花が咲き乱れているのを見て
特別でないことに失望するが
キツネに教えられたり パイロットと語り合っているうちに
〈愛情〉を理解し望郷の念にかられる
パイロットも孤独や自由をどんなに愛しても
ひとりでは生きられないことを実感する
作者は反ナチスで
ヴィシー政権下でのアメリカ亡命時にこれを出版
だけど現在考えると国境問題などについては
ちょっと複雑な気持ちに
戦時下なのに 彼が爆撃機に載らなかったことや
試験飛行をして砂漠に不時着したり
機を破損させていることも
飛行士の間で 彼の評価が分かれたところなのかな
この映画はミュージカルだし
原作の持つトゲみたいな部分には深く触れずに 明快
飛行士のロマンみたいな方に焦点が当たっている
王子さまも可愛く
素朴な疑問と 含蓄のあるお言葉を披露
フォッシーとマッケニー(バラ)以外のメンバーは
みんなダンスはアマチュアみたいだが
何だか楽しい
舞台の方で有名らしいカイリー(パイロット)の歌声も
とてものびやか
いい声なので〈語り部〉にもピッタリ
子供向けの映画だから、言葉の1つ1つが優しい
あらすじ+感想
1.「大蛇が象を飲み込んだ絵は、外見が帽子に似ている」、から始まる
2.飛行機が砂漠に不時着したら、そこに子供(王子様)が現れた
3.子供が、パイロットに「羊の絵を描いてよ」から、2人の会話が始まった
4.子供は、自分の星でバラ(女)と会話、
バラの気持ちが判るように、鳥に乗って旅に出る
5.それぞれの星々で、①王様、②実業家、③歴史家、④将軍と会話
話が終了すると、鳥に乗って次の星へ移動してた
6.地球に着いた時、鳥が飛んで行ってしまい、自分の星へ戻れなくなった
7.地球で蛇(男)と会話したら、「チクリと刺せば星に帰れる」と言われたので、
蛇を捜している、とパイロットに伝
8.子供は、蛇の後、バラ園で狐(男)とも会話、とパイロットに伝
9.飛行機が直り、エンジンが正常に稼働
10.子供が居なくなったので、捜しに行ったら、子供は木の所で蛇に咬まれてた
11.子供は、パイロットに「星に帰る」と伝
12.パイロットが、子供に「君の笑い声が聞きたい」と伝
13.子供は、パイロットに、
①僕は星の上でいつも笑ってる、
②どの星かは秘密、
③これでお別れ、と伝
14.パイロットは、子供を抱いて、
①絶望の淵にいた僕には、君の笑顔は太陽だった
②星の王子様だった、と嘆く
15.パイロットは、子供を飛行機に乗せたが、翌朝、子供が消えていた
16.パイロットが、子供を捜しに木の所に行ったら、蛇がいた
感想=子供(王子様)の笑い声は、聞いてると、心が和む
大きな感動は無いが、印象深い
寓話の様な感じの映画
ファンタジーを楽しめた
全3件を表示