ヘンリーのレビュー・感想・評価
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アート系ホラー
この作品はホラーだという。恐怖する事柄には色々な種類があると思うが、自分が理解できないものの存在は恐怖の対象の一つだろう。
殺人に理由がないことを低評価の理由にしている方がいるけれど、ヘンリーを恐怖の殺人者に仕立てるために敢えて動機を明らかにしていないと思うんだよね。
特に意味もなく殺してしまうというのはとても恐ろしい。
殺人理由を言ってもどうせ理解できないってのもある。なぜならヘンリーはサイコパス殺人者で、彼らの考えは普通の人間の思考とは異なるからだ。それはただ、彼らの言っていることを受け入れるしかない。
サイコパス犯罪物とかの作品が好きでドラマなども観るが、まあ実在の人物がモデルなので当然といえば当然なのだが、80年代の作品で明らかなサイコパスの特徴を持っているキャラクターの作品ってだけでちょっと感動的でさえある。
近年でさえ観客が理解できるようにキャラクターに人間味が加えられサイコパス犯罪のはずなのにサイコパスじゃない映画がほとんどないのにだ。
極端な話、キャラクターを理解できないからサイコパスなのであって、観ている私たちが理解できてしまったらそれはもうサイコパスではないんだ。
あとは、冒頭の連続する死体と殺害場面であろう音だけの演出はちょっとした芸術だったよね。
予算が凄く少なかったからというのもあるだろうが、だからこその思い切った演出だったと思う。
ついてこられないヤツはついてこなくていいという割り切りのような。
おかげで強烈なインパクトを与えてくれて、良いもの観た気がするのはいいよね。
ヘンリーがいい奴に見えた僕は異常?
まぁ、せつないですよね。幼少期、親との関係などなど。作品の中ではセリフで語られますが、聞いてるだけでも辛くなります。幼少期に愛情が注がれなかった結末なんでしょう。
しかし、やってることについての同情は一ミリもしませんが。感情の高まり、怒り、苛立ちの一環で当たり前のように殺人を犯す様は、なんとも怪物感があります。
しかし、オースティンの方がよっぽどアホで鬼畜で、虎の威を借る狐さながらで、こいつの方がクズだと思えます。この描き方や凄惨な殺人描写が少なく、不幸のデパート状態のヘンリーに時々灯る好青年の光。
これは監督がもつヘンリー像なのか?解釈なのか?
願いなのか?
「たぶん好きだと思う」
このセリフにに微かな期待をしたけど、哀しいかな。
運命って環境が左右されちゃうのかな?
なぜかヘンリーを憎めない。
逆に、人間らしさを感じてしまった。
もし、制作陣の意図通りであるならば、本作は秀作と言わざるを得ないですね。
シリアルキラーとは…
不謹慎極まる感想を述べると、シリアルキラーと言われる殺人鬼は幸せなのかもしれない。善悪のケジメなど最初から持たずに、人殺しが無上の楽しみ。それをやり切る行動。社会の規範も意に止めることもなく、血縁関係でさえ、とっくに破綻している。シンプルな生き方ではある。完全に間違えたいるけど、当の本人は自己欺瞞もなく、何ら躊躇なくすることもなく、ひたすら殺すのみの打算のない人生。モラルを捨て去れば、人によっては楽しく生きられる答えの一つでもある。私には到底出来ないが…
終わり方がうまいと思いました。
「なぜ人は人を殺すことができるのか」が知りたくて、様々な事件を幼い頃から研究?していました。
特にヘンリーは有名だと思っておりまして、興味はありました。
そして彼を題材にしたこちらの映画を、偶然レンタルショップで見つけたため借りてみました。
感想としては、ちょっと子供には観てほしくない、R15指定が良いのかな、と思うほど描写がうまく2回くらい繰り返し観ました。
特に、音楽とその叫び声などの混ぜ方が、なんとも言えず、引き込まれました。
一点だけ申し上げますと、ヘンリーの生い立ちは知っていますので、その辺りを深く掘り下げて描いてもらえるともっとすごい作品になっていたかな、と感じます。
腐れアニキ
実在した殺人鬼ヘンリーよりも、相棒?のアニキの方が残酷でバカでヘドが出そうな最低ヤローで、主人公のヘンリーよりキャラが強くて印象に残る。
序盤に女性の死体を映像で何シーンか描写して、しばらく殺す場面は無いまま物語は進み、ラストもラジオを流して死体の映像で終わらせた方がシンプル!?
本作は「ザ・バニシング-消失-」の抱き合わせで公開されたが「ありふれた事件」を思い出す理不尽さが画面一杯に、陰鬱な雰囲気をイメージしていたけれど想像よりは暗くなかった。
なんとなく「時計じかけのオレンジ」を彷彿とするシーンもあり、とにかくアニキの方に興味津々!?
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