劇場公開日 1992年3月19日

「アート系ホラー」ヘンリー つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アート系ホラー

2024年2月16日
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鑑賞方法:DVD/BD

この作品はホラーだという。恐怖する事柄には色々な種類があると思うが、自分が理解できないものの存在は恐怖の対象の一つだろう。

殺人に理由がないことを低評価の理由にしている方がいるけれど、ヘンリーを恐怖の殺人者に仕立てるために敢えて動機を明らかにしていないと思うんだよね。
特に意味もなく殺してしまうというのはとても恐ろしい。
殺人理由を言ってもどうせ理解できないってのもある。なぜならヘンリーはサイコパス殺人者で、彼らの考えは普通の人間の思考とは異なるからだ。それはただ、彼らの言っていることを受け入れるしかない。

サイコパス犯罪物とかの作品が好きでドラマなども観るが、まあ実在の人物がモデルなので当然といえば当然なのだが、80年代の作品で明らかなサイコパスの特徴を持っているキャラクターの作品ってだけでちょっと感動的でさえある。
近年でさえ観客が理解できるようにキャラクターに人間味が加えられサイコパス犯罪のはずなのにサイコパスじゃない映画がほとんどないのにだ。

極端な話、キャラクターを理解できないからサイコパスなのであって、観ている私たちが理解できてしまったらそれはもうサイコパスではないんだ。

あとは、冒頭の連続する死体と殺害場面であろう音だけの演出はちょっとした芸術だったよね。
予算が凄く少なかったからというのもあるだろうが、だからこその思い切った演出だったと思う。
ついてこられないヤツはついてこなくていいという割り切りのような。
おかげで強烈なインパクトを与えてくれて、良いもの観た気がするのはいいよね。

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つとみ