ヘブンズ・プリズナーのレビュー・感想・評価
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傷つき失ったものを思う男の孤独
総合:70点
ストーリー: 55
キャスト: 70
演出: 75
ビジュアル: 75
音楽: 65
警察をやめざる得なかったアレック・ボールドウィン演じるデイブの苦悩。今はささやかだが妻と二人で平和に暮らしている。それなのにまた事件に巻き込まれて、やっと得た平穏な生活を奪われていく。いや自らその事件をきっかけに再びその世界に入っていったのか。アメリカ南部のじっとりとした蒸し暑さの伝わる風景と、ぴりぴりとした殺伐とした空気とが重なって、最後に孤独の中に男の心の傷が染み渡る様子を伝えてくる。
原作の小説は知らないが、物語はわかりにくい。急に飛行機が墜落し、麻薬組織があり、女が組織の乗っ取りを図り、殺し屋が現れ・・・、とそんな感じでデイブの知らないところで次々に物語が展開しすぎる。恐らく原作の内容をはしょりながら無理やり映画の中に詰め込んだんじゃないかと想像する。あるいはテレビで見たせいか途中がカットされたのか? そのせいか物語の流れは掴みづらいものとなり、デイブとの関連が薄いように見える。そもそも何故彼は命を狙われたのかすらはっきりとした理由が示されない。しかもこれだけ派手な行為をいろいろとしているのに、警察が介入してくる様子が殆ど描かれない。麻薬取締り局の人物が口をはさんでくるくらい。ちょっと重苦しい雰囲気とデイブの心の描き方が良かっただけに、物語はそれに追いつかなかったと感じた。
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