「非常に重い」ペパーミント・キャンディー おおつさんの映画レビュー(感想・評価)
非常に重い
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映画は、79年の朴正熙暗殺から始まる軍事政権から、97年の通貨危機後の韓国経済が落ち込んだ99年までを、一本のレールで繋ぎ、時間をさかのぼる形で描かれています。
ピクニックは79年4月なので、10月朴正熙暗殺から始まる暗黒時代の少し前ということになります。
終盤、ピクニックの場所に、前に来たことがあるというヨンホに対し、「夢で来たのよ。良い夢ならいいけど。」とスニムによって、これから始まる韓国の暗黒時代が逆説的に予言されます。
そしてそれを悟ったかのようにヨンホは涙を流し映画は終わります。
『ペパーミントキャンディ』のように韓国の現代史を総括して描かれた作品には『国際市場で逢いましょう』などがあったり、また、1980年代を描いた作品として『タクシー運転手』や『1987』などがありますが、これらの作品は映画としてエンターテイメント化されていると思います。
それに対し、『ペパーミントキャンディ』は、時代の記憶がまだ生々しい時期に制作された映画だからか、救いがなく非常に重い作りになっています。
すごい映画でしたが、観るのに体力がいる映画でした。
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