「マレーネの限界点」ペトラ・フォン・カントの苦い涙 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
マレーネの限界点
何度も優雅に様変わりする中でデヴィッド・ボウイにしか見えないペトラ、最後に着飾らないスッピンの彼女が一番美しく思えるが、何とも言えない滑稽な状況にア然とした表情が不憫ながら微妙に笑えてしまう話のオチ。
物語の展開自体、ペトラの部屋からベッドを中心にした密室劇が第一章から五章くらいに分かれた間隔での長回し、カーリンとの出会いから引っ掻き回されるペトラの勝手な嫉妬から一言も喋らない無表情なマレーネが押し殺す感情が炸裂する姿を想像しながら、見事などんでん返しを細やかに淡々と!?
満を辞しての登場に散々な目に合うペトラの娘が可哀想ながらコメディ色が強くなる印象で、ファスビンダーによるシチュエーション・コメディが繰り広げられると受け止めて誤解はないか??
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