「幸せな時代と物悲しさ」プロヴァンス物語 マルセルのお城 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
幸せな時代と物悲しさ
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総合:80点
ストーリー: 80
キャスト: 75
演出: 80
ビジュアル: 75
音楽: 75
前作の「マルセルの夏」同様に豊かな少年時代を愛情たっぷりに描いている。だが美しい自然に触れて驚きつつもそれを堪能した前作とは異なり、初恋と城への道との話が中心になる。その分、前作のような田舎の生活と仲良くなった地元の少年リリに触れ合う描写はあまりなくなってしまって、そのあたりは見ていてちょっと残念に感じる。それでもほのぼのとした描写は健在で、前作ほどではないけれども彼の黄金の少年時代が楽しめる。
終わりにかけて急に彼のその黄金の少年時代が終わりを告げ、せつなく物悲しい場面に切り替わる。あまりに急激な変化に見ていて戸惑うのだが、それも受け入れなければならない現実の人生なのだろう。彼も二度とあの時代が戻らないことを知っている。美しい物語が終わり、物悲しい余韻が残った。最後に一気に物語を盛り返すいい映画でした。
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