ブレインストームのレビュー・感想・評価
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DVD200円ゲットシリーズ。 他人の体験を追体験できる装置、今の...
DVD200円ゲットシリーズ。
他人の体験を追体験できる装置、今のVRじゃないか、いや脳に直接だからその先をいってる。インターネットすらまともではなかった時代になんたる先見の明。ただ、装置がなんとも古めかしくて現代からみるとダサいんだ、でもこれは仕方ないね。ザ・臨死体験。
私は作品の内容より、撮影中に亡くなったナタリー・ウッドの謎の死の方が興味がある。「殺し」だよね。真相が知りたい。
北極3号♥
『現在のVRも3DもAIも、実際には頭打ちだ。限界があると言う事。現在の最先端の技術は『限界がある』と言う命題を解いているはずだ。つまり、光速を超えられない事と同じ様に、人間が作った人工物が、人間の精神を超えられないと言う事だ。
その意味に於いて、この映画の表現では、機械が人間以上の力を人間に見せ、人間を神なる領域に誘ったと、出鱈目な話にしている。つまり、西洋人が相変わらず好きな、超高級の『フライング●ダッチマン●奥さん』を作った訳である。日本名で『北極3号』にでもしたら売れるかもね。
現在のVRを予言したような映画
そしてVRで起きる悲劇的な事故を予測した、一歩先を行く未来予測映画。そのヴィジュアルに当時は好奇心を大いにくすぐられたものの、現実が追いついてしまった以上、今になってこの映画を見る意味はあまりないと思う。
そもそも映画としてそれほど面白くなかったし。
本作の直線的な延長線上にマトリックスがある そしてその先にマイノリティリポートがある
1982年のトロン、1999年のマトリックスを繋ぐサイバーパンクSF映画のミッシングリングだ
36年にも前にこのような作品を送り出したダグラス・トランブルはやはり偉大だ!
もっと高く本作は評価されるべきだ
これこそSF映画だ
この人の名前は特撮界では黒澤明にも匹敵するほどのレジェンドだ
2001年宇宙の旅、未知との遭遇、スタートレック、ブレードランナーなどを手がけた人と言うだけでSF映画界の神様ということが分かると思う
スターウォーズは他に仕事があって弟子のジョン・ダイクストラをルーカスに紹介した人だ
1983年パソコンは既にあった
しかし本格的にビジネスに使えるものはIBM-PCという名前で1981年に発売されたばかり、ウイドウズもマックも有りはしない
文字だけのキーボード操作だ
だからマウスもまだ無かったのだ
日本では1982年のNEC 9801シリーズの発売があったばかりの頃
インターネットのブラウザの最初先祖が出来る10年も昔のことだ
日本ではパソコン通信ですら実験的なものしかなかった時代なのだ
しかし本作に提示されている施設は撮影当時の30年は先進している
工作ロボットと無人搬送ロボットで操業される無人工場、もちろんネットワークを使って遠隔操作されるものだ
21世紀の現代においても先進的なものとしてようやくモデル的なものがようやくポツリポツリと現れてきた程度だ
入口は昨今やっと普通に見られるようになった暗証番号とカード式電子錠がついたドアがついている
床は今なら常識の高床式のOA床だ
当時そんなものは誰も知らないものだ
ハッキングシーンとサイバーセキュリティ担当者の登場まで描かれている
当時ここまでの正確な知識を持っている人間がどれ程世間にいるのか
それを映画にしてみせているのだ
そして本作のテーマ
人間の意識のデジタル記録とネットワーク伝送
劇中で語られる通りコミュニケーションの革命だ
文明とは情報の交換速度と量に比例して進化してきたのだから当然だ
これは人間の意識のアップロード、ダウンロードに繋がる核心技術だ
本作の世界の直線的な延長線上にマトリックスがある
本作が無ければマトリックスは無かったかも知れない程のものだ
伝送された他人の意識を自己の意識と同期をとるために調整を進めていくシーンはエヴァンゲリオンに影響を与えたことが伺える
楕円形のスコープを覗くような形で視界を制限して回想シーンを表現しようとする手法は広く使われている
本作では五感全て知覚を丸ごと伝送するのだから全球的な知覚体験だろうから、トランブルはドームに投影されるオムニマックスのような魚眼レンズで捉えたような映像でそれを表現して見せる
特殊な撮影方式を作りだしてまでそれを実現して見せたのだ
他人が体験した五感をそのままコピーして記録する、別の人間がその体験を自分が体験したこととして再生できる
そのことの意味を劇中で様々な活用法を見せてくれる、スポーツ体験、自動車運転、セックス…
当然あるだろう
セックスなどはAVの世界ではVRとして半ば現実化しようとしている
軍事利用も当然本作の様にあるだろう
戦闘機の操縦なら無人攻撃機としてこれも半ば実現している
アメリカ本土の基地に自宅から定時勤務で通い地球の裏側の遠い国の町を攻撃している時代なのだ
しかし死の体験を記録して、他者の意識上で再生するというものすごい発想は自分には無かった
強烈な知興奮を主人公同様に感じた
果たしてその主人公はおそらく過去の人類史のなかでごく少数の聖人と言われるべき厳しい修行を積んだ人だけが垣間見ることができた世界をフルサイズで体験して戻ってくるのだ
死にゆく意識の記録の中身は、記憶が沸騰する無数の泡ののように吹き上がっている
走馬灯の様に人生を振り替える表現だ
マイノリティリポートに影響を与えたシーンでもある
そして意識が肉体を離れていき、百数十億光年への彼方にあるという彼岸への飛行を映像で見せるのだ
これこそSF映画だ
SFの本来の役割をはたしている
本当のSFとはこういうものだ
彼はその体験をして救世主というべき宗教家になるのであろうか?
しかし本作はそこまでには至らない中途半端なところで終わってしまう
そこまで踏み込むことはトランブルとしては彼の手に余る
彼の領域外にはみ出てしまうことだったのだろう
それが彼の限界だったのだ
そこまで描くことができたなら不朽の名作になったかも知れない
本作はナタリー・ウッドの撮影中の不審死もあって撮影はストップ、なんとか完成させたものの興行的にも全くヒットしなかった
そのため結局トランブルは映画界から長くその場に名を聞かなくなってしまうことになる
大変にもったいないことになったものだ
不世出の天才を埋もれさせてしまったのだ
しかし改めて本作をみて彼の革新的な未来ビジョンの確かさ、センスの良さはマイノリティリポートより優れていると言える
もし彼がマトリックスやマイノリティリポートに関わっていたならどうなっていただろう?
あれ以上の驚天動地のビジョンを私達は目撃できたのかも知れない
本当にもったいないことだ
再評価されるべき作品だ
ダグラストランブルその人の名も再評価されるべきだ
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