プラトーンのレビュー・感想・評価
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令和で初見
恥ずかしながら令和になって初めて今作を観ました。
戦争映画が苦手な自分にとって、
名作「プラトーン」はリアルでエグい戦争映画だと
敬遠してたけど、
バーンズとエイリアスの確執を軸に
とてもエンタテインメントしてて観やすかった。
当時はリアルだったのかもしれないけど、
今観ると丁度良い戦闘シーンだった。
高校の時に観た「プライベートライアン」は
テーマが何だったか思い出せず、
エグ過ぎるという記憶しか残ってない。
その点プラトーンは疑心暗鬼と不安と恐怖、
戦争の正義なんてどこにもない
と言うのがよく分かった。
ジャケットにもなってる絵はてっきり
チャーリーシーンかと思ってたら、
ウィリアム・デフォーで驚いたし、
めちゃカッコ良かった。
ベトナム戦争下ではバーンズの方が正しいような
気もした。
狂ってる。
当時は戦争後の兵隊のPTSDなんて知られてなかった
と思うのだけど、
今観ると、この後主人公がモノローグのように
正しい人生を送ったように思えないのが、
なんとも悲しかった。
ジョニー・デップが脇役として活躍していました。通訳してました。
歴史は繰り返される・・・。
21世紀の我々は本作から一体どのようなメッセージを受け止めるべきなのか
ベトナム戦争の実相を見事に凝縮した作品だ
非対称戦争は野蛮さが勝るものが勝利する姿がここにある
米国のベトナムにおける蛮行を非難するだけなら簡単なことだ
それはあまりに表面的でナイーブだ
この有り様を映像作品にできるだけ米国は文明国と言える
アフガニスタンにおけるソ連はどうだったのか
チベットやウイグルにおける中国はどうなのか
さらにいえば天安門の悲劇は何なのか
それを彼らは総括し自省する本作のような作品を残せているのか
21世紀の我々は米国帝国主義と非難する言葉の裏でその平和勢力が一体何をしていたのかを知っている
そしてテロ戦争、イラク戦争ともう20年が経過したのだ
21世紀の我々は本作から一体どのようなメッセージを受け止めるべきなのか?
それはこのようなくそだめのような戦争を起こしててはならないということだ
戦争を起こさないとは、軍備を捨てることではない
それは戦争するくらいなら殺されようとビラを撒く団塊左翼老人の空想とおなじだ
いくつくところは本作のベトナムの村でなすことなく殺されてしまう村人達と同じ運命しかない
戦争を起こさないための備えが必要ということだ
それは軍備だけではない、私達ひとりひとりの心構え、気概が戦争を起こさない道だということだ
凄まじい戦争の現実
What do you know about a death? リアルなベトナム戦争。これは凄かった。
古い映画だしたいして面白くないだろうけど、「午前10時の映画祭」であるし有名作品だから一応観ておくかぁぐらいの気持ちで観に行った「プラトーン」。いやいや、これは凄かった!ホント衝撃でした。
先ずジャングルの中で蟻に噛まれたりする所からリアルです。こりゃ実体験がないとなかなか思い付かない演出ですよね。でも、ベトナム戦争実体験ってオリバー・ストーンっていくつやねんっと思って調べてみたら70歳越えてました。けっこういってんだなぁ。
話を映画に戻すと戦争でおかしくなっていく人間模様もまたリアルなんですよね。思うんですけど、戦争状態の時って人が簡単に死んでいく訳で、命の価値も軽く思えてくるのではないでしょうか?だから「あいつ生意気だから殺してやろう」という発想になって、実際バーンズはエリアスを殺してしまったのかなと。人間どういう状態にも慣れてくるといいますが、戦争の状況でも慣れてしまうものなんでしょうね。そして、中東とかでは今もそんな状況だったりするのでしょうか。
出演陣ではチャーリー・シーンが流石に若い!何となく悪いイメージしかない俳優さんですが、当時はまだ純粋そうです。そしてエイリスを演じたウィレム・デフォー!まだ顔にあまりシワがない!凄く悪人顔なのに本作では良心でした。あ、フォレスト・ウォーカーもいる。え、ジョニデもいたんだ!?
古いし観た後鬱になりそうだしで何となく敬遠していた本作ですが、これは観て良かったと思える作品でした。
戦場の狂気を描いた映画の中では、解りやすい良作。
午前十時の映画祭で、30年ぶりに観賞。
ベトナムで米兵は何をしたか…をオリバー・ストーンは描いたという。
戦場で行われた狂気の沙汰は、ベトナムでの米兵に限らず、繰り返されたこと。
日本兵も中国人や朝鮮人に同じような愚行をしでかしている(と、伝えられている)。
人間の愚かな本性なのだろう。
「地獄の黙示録」のような極端な狂気の世界ではなく、単純な、善悪の境を見失った男達とその一歩手前で踏みとどまった男達の物語で、解りやすい。
本来優しい目元をしたトム・ベレンジャーが顔に傷をつけて歴戦の勇士である凶行の曹長を、
強面のウィレム・デフォーがそれを制止する対立の曹長を演じる。
このキャスティングは逆転の発想のように感じた。
映画は過酷な戦場風景をリアルに淡々と描いているようで、
一人敵兵の側面に迫ったデフォー曹長をベレンジャー曹長が追う場面では、
サスペンス感溢れる緊張の演出が見られる。
そして、デフォー曹長の壮絶な最期がクライマックス以上に印象的な名シーンとなっている。
語り手役のチャーリー・シーンは、
とうとう自ら処刑を敢行する。
狂気のベレンジャー曹長は、多くの味方を救っている勇士でもあるのだ。
正義が存在しない戦場で、彼もまた殺人者となった。
「地獄の黙示録」でウィラード大尉を演じた父親のマーティン・シーンは、
やはり本編の語り手であり、カーツ大佐を暗殺する。
こちらは、そもそも暗殺することが指令だったのだが。
衝撃受ける
小学生の時に鑑賞し、内容はよくわからないながらもたいへんな衝撃を受けた映画です。
午前十時の映画祭で上映されていたため、よい機会なので再鑑賞。成人してから観ても、十分に衝撃受けますね。
オリバー・ストーン監督の実体験を基にした映画とのことで、とてもリアルな映画だったと思います。真実のところはわかりませんが、細部にわたって生々しく、ベトナム戦争はこんな感じだったんだろうな、という雰囲気が伝わります。
リアルさは、人間関係にも出ているように思います。兵士全員が戦争に適応して狂ってるわけではなく、エリアスみたいに理性を保っている人もいる。村の焼き討ちのときは、もっと凄惨な結果になると思っていましたが、民間人を殺すと軍法会議にかけられる等、ブレーキをかける兵士の方が多く、それがリアルに思えました。民間人殺害で揉めるエリアスとバーンズ、レイプを咎めるテイラー、子どもたちを抱えて移動する兵士たち。バーンズみたいに狂わないと適応できない戦場で、ギリギリで人間性を保とうとする姿勢からは、人間が持つ粘り強さを感じます。
葛藤できるって高度ですよね。同じベトナム戦争映画でも、全員狂人の『地獄の黙示録』とは違う印象を受けます。あっちは、みんなアタマがやられちゃって誰も葛藤できない。
登場人物の行動も、しょうがないよね、無理もないよね、と思えるものばかりでした。バーンズはわかりやすい悪役ポジションですが、戦争に適応していけばああなるのも自然だと感じました。テイラーの終盤における決断も理解できますし。劇中のさまざまな行動が、「そうしちゃうよね」「せざるを得ないよね」と思えてしまうのが、リアルさにつながっているように感じます。
で、そんな風に思えてしまうことが、戦争を筆頭にした人為的に作られた異常な環境のヤバさなのでは、なんて考えています。
戦争モノはあれこれ考察するより、ヤバい体験を実感するほうが、私の場合は意味あることのように思えるため、ダラダラ考察はこの辺で。
すげー体験でした。
演者について。鑑賞前はチャーリー・シーンを見るたびに「マイポルノファミリー(笑)」とか思ってジワるのでは、と想像してましたが、ぜんぜん。物語の吸引力が凄いため、事前の不安(?)は杞憂でした。ジョニデはどこに出ているのかわからなかったです。
敵は己自身
観た 米国の悪夢の記録を
ようやく観ました。
戦争は、いや戦場は人間を(俺たちを)たやすく悪魔にする。
さらに怖いことは、戦場においては、悪魔になった者をたやすく糾弾することはできない。
戦争というもの、戦場という環境は、そういうものなんだということを学ぶ。
経験していない以上、経験者から聞くしかないわけだが、こういう映画もその価値もあるのだろう。
特に本作は、前線での戦いにおいて、拠点を奪還したとか、どこかを守り抜いたといった、満足できる結果があるわけではなく、いったりきたりの、どちらかと言えば押され気味の戦いの毎日という「日常」があるだけ。主人公も、命令に応じてそこに参加し、負傷によって退場するだけ。
映画のストーリーとして勝ち負け的なカタルシスがあるわけではない。
それなのにこの120分をあっという間に感じるのは、自分ならどうするかという問いかけが、120分じゅう繰り返されるからだろう。
例えば、チームの規律と人間性のどちらが大切かという問いかけ。それがエライアスとバーンズの対立になっていくわけだが、この問いかけも簡単なことではない。なぜなら、戦場においては、それが「自分や仲間の死」あるいは「無実の他人を殺す」といったさまざまなリスクに直結するから。
そんな風に常に考えながら観ざるを得ない展開で、さらにそれが、暑い、眠い、疲れたの繰り返しの中で続く。そのため、観ているこちら側もまた十分な態勢で考えられるわけではない。この二重の意味で戦場の擬似体験になっている点が凄いと思った。
邦画では「野火」に感じたものと似ている。
さて、最後に出演者を比較的丁寧に紹介してくれたので、俳優陣がけっこう知ってる人たちだったとわかってよかった。
チャーリーシーンは言うまでもない。
エライアス:ウィリアムデフォー:ストリートオブファイアの敵親分レイヴェン!言われてみれば。
バーンズ:トム・ベレンジャー:新明日に向かって撃てのブッチキャシディ:気づかなかった。
ラーナー(ベトナム語を話す):ジョニーデップ!
フォレストウイテカー:ローグワンの黒くて髭の反乱軍戦士ソウ・ゲレラ
初めて観たのは約10年前、当時は何も感じませんでした。 そして10...
名作を初めて視聴。
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