プラトーンのレビュー・感想・評価
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ジョニー・デップが脇役として活躍していました。通訳してました。
ベトナム戦争への批判はさることながら、徴兵されるアメリカ人は黒人や貧困層の若者ばかりであることへの風刺もこめられていた。ベトナム戦争の映画というと、必ず表現される「狂気」。この映画も例外ではなく、バーンズとエリアスの確執とバーンズ自身の狂気の沙汰が見事に描かれていました。ただし、狂気といえば『地獄の黙示録』にはかなわないし、反戦メッセージを考慮しても他の映画に負けているのですが、俳優の演技力やわかりやすい戦争映画ということで総合的に優れていると思います。
歴史は繰り返される・・・。
30年ぶりに鑑賞。 戦争や人間の恐さを知るには持ってこいの作品。 自分は作品を観てエリアス、クリス派だと思うが、果たしてあの現場にいたら同じことが言えるかが不安になる。 この作品を観れば「タクシードライバー」のトラビスがPTSDになったのが理解できる。 そして「ハート・ロッカー」「アメリカン・スナイパー」を観て歴史は繰り返されるし、戦争の恐さ愚かさをこんなリアルに映画で伝えても駄目なんだと絶望してしまう。作品最後の「この作品をベトナム戦争の戦死者に捧ぐ」というメッセージが虚しい・・・。
21世紀の我々は本作から一体どのようなメッセージを受け止めるべきなのか
ベトナム戦争の実相を見事に凝縮した作品だ 非対称戦争は野蛮さが勝るものが勝利する姿がここにある 米国のベトナムにおける蛮行を非難するだけなら簡単なことだ それはあまりに表面的でナイーブだ この有り様を映像作品にできるだけ米国は文明国と言える アフガニスタンにおけるソ連はどうだったのか チベットやウイグルにおける中国はどうなのか さらにいえば天安門の悲劇は何なのか それを彼らは総括し自省する本作のような作品を残せているのか 21世紀の我々は米国帝国主義と非難する言葉の裏でその平和勢力が一体何をしていたのかを知っている そしてテロ戦争、イラク戦争ともう20年が経過したのだ 21世紀の我々は本作から一体どのようなメッセージを受け止めるべきなのか? それはこのようなくそだめのような戦争を起こしててはならないということだ 戦争を起こさないとは、軍備を捨てることではない それは戦争するくらいなら殺されようとビラを撒く団塊左翼老人の空想とおなじだ いくつくところは本作のベトナムの村でなすことなく殺されてしまう村人達と同じ運命しかない 戦争を起こさないための備えが必要ということだ それは軍備だけではない、私達ひとりひとりの心構え、気概が戦争を起こさない道だということだ
凄まじい戦争の現実
戦争は敵味方だけの殺し合いではない。同じ国の兵の中でも人間だもの。憎しみ合い、そこに打ってつけの武器を持ってたなら尚更、仲間内での殺し合い。自分自身の殺し合い。様々な現実が見事に描かれている。 とりあえず、思ったのは、戦闘ゲームとか大好きな人ってこの映画どんな感覚でみるんだろ、、、とふと気になった。戦争云々のストーリーよりも細かい所作とか持ち物、シチュエーションとかの方が興味深いんだろうか、、、。
What do you know about a death? リアルなベトナム戦争。これは凄かった。
古い映画だしたいして面白くないだろうけど、「午前10時の映画祭」であるし有名作品だから一応観ておくかぁぐらいの気持ちで観に行った「プラトーン」。いやいや、これは凄かった!ホント衝撃でした。
先ずジャングルの中で蟻に噛まれたりする所からリアルです。こりゃ実体験がないとなかなか思い付かない演出ですよね。でも、ベトナム戦争実体験ってオリバー・ストーンっていくつやねんっと思って調べてみたら70歳越えてました。けっこういってんだなぁ。
話を映画に戻すと戦争でおかしくなっていく人間模様もまたリアルなんですよね。思うんですけど、戦争状態の時って人が簡単に死んでいく訳で、命の価値も軽く思えてくるのではないでしょうか?だから「あいつ生意気だから殺してやろう」という発想になって、実際バーンズはエリアスを殺してしまったのかなと。人間どういう状態にも慣れてくるといいますが、戦争の状況でも慣れてしまうものなんでしょうね。そして、中東とかでは今もそんな状況だったりするのでしょうか。
出演陣ではチャーリー・シーンが流石に若い!何となく悪いイメージしかない俳優さんですが、当時はまだ純粋そうです。そしてエイリスを演じたウィレム・デフォー!まだ顔にあまりシワがない!凄く悪人顔なのに本作では良心でした。あ、フォレスト・ウォーカーもいる。え、ジョニデもいたんだ!?
古いし観た後鬱になりそうだしで何となく敬遠していた本作ですが、これは観て良かったと思える作品でした。
戦場の狂気を描いた映画の中では、解りやすい良作。
午前十時の映画祭で、30年ぶりに観賞。
ベトナムで米兵は何をしたか…をオリバー・ストーンは描いたという。
戦場で行われた狂気の沙汰は、ベトナムでの米兵に限らず、繰り返されたこと。
日本兵も中国人や朝鮮人に同じような愚行をしでかしている(と、伝えられている)。
人間の愚かな本性なのだろう。
「地獄の黙示録」のような極端な狂気の世界ではなく、単純な、善悪の境を見失った男達とその一歩手前で踏みとどまった男達の物語で、解りやすい。
本来優しい目元をしたトム・ベレンジャーが顔に傷をつけて歴戦の勇士である凶行の曹長を、
強面のウィレム・デフォーがそれを制止する対立の曹長を演じる。
このキャスティングは逆転の発想のように感じた。
映画は過酷な戦場風景をリアルに淡々と描いているようで、
一人敵兵の側面に迫ったデフォー曹長をベレンジャー曹長が追う場面では、
サスペンス感溢れる緊張の演出が見られる。
そして、デフォー曹長の壮絶な最期がクライマックス以上に印象的な名シーンとなっている。
語り手役のチャーリー・シーンは、
とうとう自ら処刑を敢行する。
狂気のベレンジャー曹長は、多くの味方を救っている勇士でもあるのだ。
正義が存在しない戦場で、彼もまた殺人者となった。
「地獄の黙示録」でウィラード大尉を演じた父親のマーティン・シーンは、
やはり本編の語り手であり、カーツ大佐を暗殺する。
こちらは、そもそも暗殺することが指令だったのだが。
衝撃受ける
小学生の時に鑑賞し、内容はよくわからないながらもたいへんな衝撃を受けた映画です。
午前十時の映画祭で上映されていたため、よい機会なので再鑑賞。成人してから観ても、十分に衝撃受けますね。
オリバー・ストーン監督の実体験を基にした映画とのことで、とてもリアルな映画だったと思います。真実のところはわかりませんが、細部にわたって生々しく、ベトナム戦争はこんな感じだったんだろうな、という雰囲気が伝わります。
リアルさは、人間関係にも出ているように思います。兵士全員が戦争に適応して狂ってるわけではなく、エリアスみたいに理性を保っている人もいる。村の焼き討ちのときは、もっと凄惨な結果になると思っていましたが、民間人を殺すと軍法会議にかけられる等、ブレーキをかける兵士の方が多く、それがリアルに思えました。民間人殺害で揉めるエリアスとバーンズ、レイプを咎めるテイラー、子どもたちを抱えて移動する兵士たち。バーンズみたいに狂わないと適応できない戦場で、ギリギリで人間性を保とうとする姿勢からは、人間が持つ粘り強さを感じます。
葛藤できるって高度ですよね。同じベトナム戦争映画でも、全員狂人の『地獄の黙示録』とは違う印象を受けます。あっちは、みんなアタマがやられちゃって誰も葛藤できない。
登場人物の行動も、しょうがないよね、無理もないよね、と思えるものばかりでした。バーンズはわかりやすい悪役ポジションですが、戦争に適応していけばああなるのも自然だと感じました。テイラーの終盤における決断も理解できますし。劇中のさまざまな行動が、「そうしちゃうよね」「せざるを得ないよね」と思えてしまうのが、リアルさにつながっているように感じます。
で、そんな風に思えてしまうことが、戦争を筆頭にした人為的に作られた異常な環境のヤバさなのでは、なんて考えています。
戦争モノはあれこれ考察するより、ヤバい体験を実感するほうが、私の場合は意味あることのように思えるため、ダラダラ考察はこの辺で。
すげー体験でした。
演者について。鑑賞前はチャーリー・シーンを見るたびに「マイポルノファミリー(笑)」とか思ってジワるのでは、と想像してましたが、ぜんぜん。物語の吸引力が凄いため、事前の不安(?)は杞憂でした。ジョニデはどこに出ているのかわからなかったです。
殺し合う人間の前に現れた鹿
戦場では獣であるべきか人間であるべきか、そんなことを考える感覚もいつの間にか麻痺してしまって、とにかく生き残ることで精一杯のベトナムの密林に、荘厳な『弦楽のためのアダージョ』が響いて終わる120分。
ベトナム戦争に実際に参加していた監督作ですからリアリティー有ります...
ベトナム戦争に実際に参加していた監督作ですからリアリティー有りますよね。 ベトナム戦争を題材にした映画としては、地獄の黙示録、ディア・ハンターと並び称されると個人的には思ってます。
敵は己自身
単なる戦争映画ではなく人間としての生き方を教えてくれる作品。人間は極限状態になった時、理性や善悪の判断を失ってしまうことを改めて実感した。 人間を人間として扱わない戦争の現実。最後にヘリ上空から見た悲惨な地上の光景には絶句。我々は戦争の実態を後世に伝える義務がある。 (午前十時の映画祭にて鑑賞) 2018-169
観た 米国の悪夢の記録を
ようやく観ました。 戦争は、いや戦場は人間を(俺たちを)たやすく悪魔にする。 さらに怖いことは、戦場においては、悪魔になった者をたやすく糾弾することはできない。 戦争というもの、戦場という環境は、そういうものなんだということを学ぶ。 経験していない以上、経験者から聞くしかないわけだが、こういう映画もその価値もあるのだろう。 特に本作は、前線での戦いにおいて、拠点を奪還したとか、どこかを守り抜いたといった、満足できる結果があるわけではなく、いったりきたりの、どちらかと言えば押され気味の戦いの毎日という「日常」があるだけ。主人公も、命令に応じてそこに参加し、負傷によって退場するだけ。 映画のストーリーとして勝ち負け的なカタルシスがあるわけではない。 それなのにこの120分をあっという間に感じるのは、自分ならどうするかという問いかけが、120分じゅう繰り返されるからだろう。 例えば、チームの規律と人間性のどちらが大切かという問いかけ。それがエライアスとバーンズの対立になっていくわけだが、この問いかけも簡単なことではない。なぜなら、戦場においては、それが「自分や仲間の死」あるいは「無実の他人を殺す」といったさまざまなリスクに直結するから。 そんな風に常に考えながら観ざるを得ない展開で、さらにそれが、暑い、眠い、疲れたの繰り返しの中で続く。そのため、観ているこちら側もまた十分な態勢で考えられるわけではない。この二重の意味で戦場の擬似体験になっている点が凄いと思った。 邦画では「野火」に感じたものと似ている。 さて、最後に出演者を比較的丁寧に紹介してくれたので、俳優陣がけっこう知ってる人たちだったとわかってよかった。 チャーリーシーンは言うまでもない。 エライアス:ウィリアムデフォー:ストリートオブファイアの敵親分レイヴェン!言われてみれば。 バーンズ:トム・ベレンジャー:新明日に向かって撃てのブッチキャシディ:気づかなかった。 ラーナー(ベトナム語を話す):ジョニーデップ! フォレストウイテカー:ローグワンの黒くて髭の反乱軍戦士ソウ・ゲレラ
初めて観たのは約10年前、当時は何も感じませんでした。 そして10...
初めて観たのは約10年前、当時は何も感じませんでした。 そして10年ぶりの鑑賞。 この作品の良さ、深さがわかるようになりました。 戦闘シーンの迫力・緊張感は勿論すごいが、人間ドラマが深い。 (エリアスと、バーンズの対立。エリアスの死、バーンズの殺害、村人の虐殺・・・・) エリアスの死の空撮シーンは勿論ですが、空撮映像を観ていると、こんなジャングルで夜間も戦闘していたと考えると鳥肌。
名作を初めて視聴。
ベトナム戦争映画として見たが、それは表層に過ぎなかった。 芯にあるテーマに気付いたとき、これはこれからも語り継ぐべき名作だと分った。 エリアスとバーンズ。 人間は誰しも、彼ら2人の狭間でもがき続けて生きているんだと思う。 少なくとも自分は、バーンズのようにはなりたくない。 エリアスのように人間的正しさに従って生きたい。 しかしバーンズこそ戦争の最大の被害者とも言える。 どちらが良いでも悪いでもない。 人間を精神的に追い詰め狂わせてしまうことこそが、戦争という行為の最大の悪であるという事を改めて思い知らされた。
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