ブラック・エース
劇場公開日:1972年7月8日
解説
麻薬にからんだ人身売買をめぐって、シカゴとカンサス・シティのシンジケートの争いを描く。製作はジョー・ワイザン、監督は「白銀のレーサー」のマイケル・リッチー、脚本はロバート・ディロン、撮影はジーン・ポリト、音楽はラロ・シフリンが各々担当。出演はリー・マーヴィン、ジーン・ハックマン、エンジェル・トンプキンス、グレゴリー・ウォルコット、シシー・スペイセクなど。
1972年製作/アメリカ
原題または英題:Prime Cut
配給:東和
劇場公開日:1972年7月8日
ストーリー
カンサス・シティ最大の牧場と精肉工場を持つメリー・アン(ジーン・ハックマン)はギャングとしてもかなりの顔として君臨していた。田舎育ちで野暮まるだしのこの顔役はとりわけ洗練された都会を嫌い、ことにシカゴ・ギャングとは犬猿の仲で、ある取引で約束の50万ドルという大金を支払わず、平然とシカゴ暗黒街を嘲笑していた。むろん、これに対して、シカゴのヤクザ、ジェイク(エディ・イーガン)は、腕のたつ殺し屋を何人も送りこんだが、ことごとくメリー・アンと弟のウィーニー(グレゴリー・ウォルコット)の手にかかって殺され、あげくの果てにその死体は、精肉工場のマシンの中に投げこまれて人肉ソーセージに加工されて“特別注文”という判を押したパッケージでシカゴに送リ届けられた。メリー・アンの挑戦に対抗できる者は、一匹狼の殺し屋ニック(リー・マーヴィン)しかいなかった。ニックは3人の子分、ショーネシー、デラニー、オブライエン、それに運転手のシェイ(ウィリアム・モーレー)と共に、闇の中を一気にカンサスにつっ走った。翌日、ニックの一行がメリー・アンの本拠地に乗り込んだとき、彼は土地の有力者たちを招いて風変わりなパーティーを開いていた。ニックはメリー・アンに宣戦布告し、そばにいた裸の娘ポピー(シシー・スペイセク)を奪うとその場を立ち去った。最初、ポピーを人質程度にしか考えていなかったニックだが、その無残な生い立ちを聞き心が動かされた。ニックとメリー・アンの再度の対決は、農業市の日だった。メリー・アンは約束通りニックに札束のケースを渡したが、ニックはいきなりそのケースを叩き割った。案の定、中から現れたのは血のしたたる牛の臓物。この一瞬、カーニバルの各所にひそんでいたメリー・アンの手下たちが、ニックたちに襲いかかった。ショーネシーが倒れ、広大な麦畑に逃げこんだ。ニックとポピーは、息つくひまもなく、ブルドーザーのような巨大な麦刈り機に襲われた。すさまじい刃が2人をひとのみにしようとした瞬間、追跡をのがれた味方3人が自動車でかけつけ、車を麦刈り機に突っ込み、ドアから飛びおりて運転手を射殺した。運転手を失った麦刈り機は止まることを知らず、恐ろしい力で自動車を噛みくだいた。ホテルに戻ったとき、更に仲間1人が殺されポピーが連れ去られた。怒りに燃えたニックは、残る2人の仲間と共に本拠地に殴り込みをかけた。それを阻止しようとするメリー・アンの手下たちとの戦いが、広大なひまわり畑で開始された。ニックは手練のマシンガンでカンサス・ギャングをなぎ倒し、折しも通りかかった大型トラックを奪ってメリー・アンの家に突入、ポピーを人質にした兄弟と対決した。ウィーニーが倒れ、メリー・アンも断末魔の苦しみにあえぐ。ニックは、まだ恐怖に震えるポピーを抱き起こすと、凄惨な地獄と化したメリー・アンの本拠地を静かに立ち去っていくのであった。