「ライアンを探せ‼️」プライベート・ライアン 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
ライアンを探せ‼️
1998年公開。監督:スティーヴン・スピルバーグ。
戦争の悲惨と、任務を全うする兵士の運命を描いたヒューマンドラマでした。
第二次世界大戦の真っ只中の1944年6月。
参謀本部ではある話し合いがもたれていた。
それは、出征したライアン4兄弟のうち3人が戦死したとの報告で、
残る1人のジョージ・ライアンもまた、ノルマンディー上陸作戦で
行方不明になっている。
そこでマーシャル参謀総長は、
「残る1人の息子ジョージ・ライアンだけはせめても母親の元へ帰す」
そのミッションがミラー中隊長と6人の部下そして1人の通訳の、
8人の救出隊に特別任務が出されたのです。
公開当時、戦争映画は大の苦手でしたが、スピルバーグ監督作品で
しかも評価も高かったので観た覚えがあります。
いきなりの戦闘シーン。
オハマビーチの戦いのシーンは20分以上続きました。
曇天で大時化の海を駆逐艦から20人乗り位のボートに乗り換えて
次々と上陸する数多のアメリカ軍兵士たち。
そこでドイツ軍が待ち構えていて、四方八方から銃弾を撃ってくる。
もう兵士の多くは弾除けみたいな存在。
本当に物凄い戦闘シーンでした。
ミラー隊の8人はジョージ・ライアンを闇雲に探しましたが、
本人が何処に居るのか?
生きているのか?も分からない状況。
ライアンという名の兵士を見つけても別人だったり。
でもようやく前線の橋に生き残りの部隊の中に見つかったのです。
3人の兄が戦死したこと、4番目の息子のジョージに
「無事帰還させよ‼️」との参謀総長直々の命令が下り、
連れ戻しに来た・・・と、ミラーは告げます。
ところが本人は途中で任務を抜けられない、任務を全うする、
と言うことをきかないのです。
責任感の強い青年だったのです。
仕方なくミラー隊の8人も、孤立した部隊と混成して
共に戦うことにするのでした。
ここからの後半の戦いが、初めの戦いより更に苛酷を極める。
ドイツ軍は戦車4台と兵士50人以上で近づいて来るのに、
こちらは戦車なし、砲丸や狙撃銃も少なく、断然に不利。
戦車を狭い場所に誘い込み、くっつき弾で抵抗する戦術です。
いやはや大変な戦いでした。
暫くしてようやっと支援の兵士と戦闘機が到着、
空から敵の戦車を爆破してくれました。
しかしミラー中尉は銃弾に倒れ、ミラー隊の生き残りは
通訳ともう1人のみ。
「プライベート・ライアン」はそんな映画です。
生き残ったライアンも、命を捧げて守ってくれたミラー中尉に、
一生涯、恩と共に助けられるに値する命だったか?
を自問し続けました。
「本当に自分は助けて貰う価値のある人間だったのだろうか?」
誠実なジョージ・ライアンをマット・デイモンが演じました。
ミラー注意を演じたトム・ハンクスです。
トム・ハンクスは悩みつつ戦う高校教師を演じて素晴らしかったです。
(教師が天職なのに場違いな戦場で戸惑う誠実な男)
リアリズム手法で描かれた戦争映画の傑作でした。