冬の旅のレビュー・感想・評価
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死から始まる。死ぬと本人すらわかっていながら抗わぬのは本能というか...
死から始まる。死ぬと本人すらわかっていながら抗わぬのは本能というか死を持ってしても譲れないという事か。人間が生きる為に作った全てに抗う。生き物はなんと難解。いやシンプルか。しかし彼女が落ちぶれていく様についつい心震える。ヴァルダはやはり天才だ。同様の映画は他にもあるが、やはり違う、少し。
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冷たい社会と温かい他人
作品はモナの死後、彼女と関わった人々のインタビューを通して、彼女の人物像を明らかにしながら、その足跡を辿っていく。事件や自己を説明するのにテレビで用いられる再現VTRのような構成。 自分探しといった前向きな目的は感じられず、ただ何にも縛られない自由を求め彷徨い続ける一方で、寝食やヒッチハイクで他人の力を借りつつも、最終的にはいつも決まって追い出されるようにその場を去っていくことの繰り返し。これは、一体なんのメタなのか? 1980年代前半のフランスは、大統領就任直後のミッテラン・ショック(インフレ、景気の減速、失業者増加)の影響下。「冬の旅」の翌年には「ベティー・ブルー」が公開される。そんな時代背景を大きく反映しているようだった。 モロッコからの出稼ぎにフランスに渡った男性のマフラーへのキスが印象的、
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